「昔からの風景を活かし新しい賑わいを」元おもちゃ店を交流スペースに 空き店舗を活用し住み続けられるまちを【SDGs】

静岡県菊川市に空き店舗を活用したコミュニティスペースがオープンしました。「住み続けられるまちづくり」に貢献する自由な空間として注目されています。

JR菊川駅から徒歩3分の場所に2022年8月、オープンした「みんなのリビング『みる』」です。お茶を飲んだり、本を読んだりと自由に使えるまさにリビングのような空間です。

<野ノ編集室 工藤大貴代表>

Q.看板がおもちゃ屋さんなんですけれど?

「ここは元々おもちゃ屋だったんですけど、借り手、空き店舗の活用ということで、地域の人たちと一緒に修繕をして自由に使える交流施設を作った」

地方の活性化を手掛ける東京のNPO法人の代表工藤大貴さんは、2022年3月に行った文化事業をきっかけにつながりができ、菊川市で空き店舗の活用に乗り出しました。

<野ノ編集室 工藤大貴代表>

「地域の昔からの風景を活かしながら新しい賑わいを作っていけたらと思っています」

元々、おもちゃ屋さんだった店舗の修繕には、地元の高校生が参加しました。建物だけではありません。

<野ノ編集室 工藤大貴代表>

Q.こちらの机、かなり年代物のように見えるんけども。こちらどういったものなんでしょうか?

「地域のお豆腐屋さんだった場所から地域にあるものを活用させていただきたいということで譲り受けたものになります」

<近くに住む人>

「本をお持ちしました。よろしければお使いください」

並んでいる本も地域の人が寄付したものです。

<近くに住む人>

「読まなくなって(本を)置いておいても、もったいないので、こういう場所で皆さんに読んでもらえたらなと空き店舗とか空き家っていうんですか、菊川市内ではずいぶん数も多いようなので、居場所の拠点としてね、使うのはいい方法という風に思います」

高齢化や跡継ぎがいないなどの理由で増え続ける空き家や空き店舗。菊川市で確認されている空き家は、現在330軒です。また、静岡県の調査では県内の商店街の11.9%の店が空き店舗になっています。

<野ノ編集室 工藤大貴代表>

「まだまだ菊川、空き家とか空き店舗とかありますので、ここだけじゃなくていろんな場所で町の賑わいを作るようなことができたら」

SDGsの目標の一つ「住み続けられるまちづくり」のために、工藤さんはもっと多くの地域を巻き込んで、空き家問題の解決に取り組みたいと考えています。

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