150周年彩る特大アート 学校マスコットがモチーフ 児童と美大生が協働制作 川口・鳩ケ谷小

完成した縦10メートル、横50メートルのハトパスの巨大アート=埼玉県川口市立鳩ケ谷小学校

 埼玉県川口市立鳩ケ谷小学校(岩田直代校長、児童数733人)=同市鳩ケ谷本町=で、3階建ての校舎を覆う大きな絵が完成した。武蔵野美術大学の「旅するムサビプロジェクト」の学生たちと同小の児童らの協働作品で、縦約10メートル、横約50メートルの巨大アート。昨年、児童による原画応募と投票で決まった学校のマスコットキャラクターの小鳩「ハトパス」が空を飛ぶ姿が描かれた。

 同校が明治5(1872)年に開校してから150周年を迎える記念行事の一環で制作した。10月15日の記念式典まで展示される。ハトパスは昨年秋に決定され、原画は6年生の藤野色葉さんが描いた。

 大学生グループは8人で、同大の三沢一実教授(62)のもとで教職を目指している。「ロマンチックでしょ。学生が自分の作品を持って小学校へ行き、鑑賞会やワークショップを開く活動を続けている。北海道から鹿児島、台湾や中国にも行きました」と三沢教授。

 巨大アートの構図は大学生たちが10案を提案。児童の投票で「ムサビ」の藤本綾瀬さんの作品に決まった。建設工事に使うブルーシートの白いものを使った。上下2段に幅2メートルの縦長のシートを縦に2枚、横に26枚で計52枚つなげて大きな1枚にした。体育館の床いっぱいに広がる大きさで、その1枚ごとに学生がラインを引き、6年生117人がコロナ感染防止のため2班に分かれて色を塗った。

 色塗り作業は8月26日午前中に完了。午後は52枚をつなげて校舎につるした。日没寸前のころに作業が完了した。

 「ムサビ」の今年の実行委員長で2年生の薄田彩希さん(21)は「自分より大きなものを作る経験は子どもたちにとっては初めてだと思う。私たちにとっても貴重な体験だった」と話した。

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