郷土の妖怪大集合―。倉敷市立自然史博物館(同市中央)で特別展「倉敷動物妖怪展」(同博物館、里庄町立図書館主催)が開かれている。倉敷芸術科学大(同市連島町西之浦)が科学的分析を進めている「人魚のミイラ」をはじめ、県ゆかりの妖怪の資料が並んでいる。25日まで。
県内に伝承や記録が残る約20種の標本、文献がずらり。人を化かすとされるタヌキ、キツネといった身近な存在から、カッパやてんぐなど空想上の生物まで多彩で、犬の形をして雨の降る晩に通行人の股間をこすって通る「すねこすり」は小田郡発祥の妖怪として紹介されている。
雷とともに現れる「雷獣」は、江戸時代に美作市内で捕らえられたものを描き、同市内で代々保管されてきた県内唯一という図を展示。人間の顔に牛の体を持つ「件(くだん)」は、江戸末期の作で、岡山大付属図書館(岡山市)で所蔵される絵を初公開している。
ほかにも、体長約1.6メートルにも及ぶ国特別天然記念物「はんざき(オオサンショウウオ)」の剥製は迫力十分。科学的分析で上半身は霊長類、下半身は魚類の特徴を持つことなどが明らかになっている「人魚のミイラ」も注目を集める。
妖怪図鑑を手に見学していた同市立浦安小1年の男児(6)は「人魚のミイラが怖かったけど気になった。もっと妖怪について知りたい」。江田伸司学芸員(61)は「昔の人がどのように動物や妖怪を捉えていたのか注目して楽しんで」と話す。
一般150円、大学生50円、高校生以下と65歳以上は無料。開館時間は午前9時~午後5時15分で、最終入館は同4時45分まで。月曜(祝日の場合は翌日)休館。問い合わせは同博物館(086―425―6037)。