【こりゃ、なんでぇ岡山】天空の鳥居(玉野市) 崖に立つ絶景スポット

断崖の先に立つ天空の鳥居。眼下には瀬戸内海の穏やかな風景が広がる=玉野市築港

 「こりゃ、なんでぇ」と思わずにいられない珍しい風景やスポットが岡山県内には少なくない。なぜそこにあるのかといった由来や知られざるエピソードを交えて紹介する。

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 抜けるような青空と穏やかな瀬戸内海を望む断崖の先。朱色の鳥居はそこに立つ。

 天狗山の麓にある広昌山観音寺(玉野市築港)からロープ伝いに険しい岩場を登ると、「天空の鳥居」(高さ約1.8メートル)が出迎えてくれた。周囲に柵はなく、開放感とともに足がすくむような怖さが込み上げてくる。

 新型コロナウイルス禍で観光客が減少する中、「玉野に新名所を」との市民の願いから、2020年6月に同寺が建立した。絶景スポットを一目見ようと、県内外から足を運ぶ人が少なくないという。ごろごろとした岩が連なる一帯が霊場とされ、落ちそうで落ちない岩に願掛けする受験生もいるそうだ。

 「若い人にも好まれているようで、鳥居の前で愛の告白をする人もいるんです」と山本観詠住職(48)がロマンチックな逸話を教えてくれた。困難を乗り越えてたどり着いた先に、パワースポットが待っている。

 アクセスメモ 広昌山観音寺まではJR宇野駅から徒歩で北へ約10分。岡山市中心部から国道30号を玉野市方面へ車で約40分。約20台分の無料駐車場がある。問い合わせは同寺(0863―21―4485)。

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