ミラーがポール獲得。不安定な天候に翻弄された予選はドゥカティ勢がトップ3独占/MotoGP第14戦サンマリノGP

 9月3日、MotoGP第14戦サンマリノGPの予選がイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われ、MotoGPクラスはジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)がポールポジションを獲得した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は22番手、渡辺一樹(チーム・スズキ・エクスター)は23番手だった。

 フリー走行3回目は気温23度、路面温度25度のドライコンディションで始まった。序盤はフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップに立ち、さらに5番手までをドゥカティライダーが占めた。このドゥカティ勢に続くのが6番手のファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)という状況だ。上位陣の順位は序盤からほぼ変更なく、セッションは終盤に入った。

 残り10分を切ると、ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が1分31秒296を記録してトップに立ち、クアルタラロが2番手、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)が3番手に浮上する。残り2分にはバニャイアが2番手タイムを記録してミラーに続いた。

 このセッションの終盤には転倒が相次ぎ、ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)、ミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、さらに中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)がクラッシュを喫している。

 その後、トップのミラー、そして2番手のバニャイアは変わらず、ドゥカティ・レノボ・チームがワン・ツーでフリー走行3回目を終えた。3番手はビニャーレス。4番手には初日総合トップのエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)が続き、クアルタラロは5番手だった。アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)はこのセッションでは上位に浮上できず17番手。ただ、フリー走行2回目のタイムによりQ2進出を決めている。

 セッション終盤に転倒を喫した中上は18番手。ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)の代役として参戦している渡辺一樹は、トップから4.387秒差の1分35秒683が自己ベストで、25番手だった。

 この日のミサノ・サーキットの天候は下り坂で、午前中はドライコンディションで行われたが、次第に空に雲が広がり、Moto3クラスの予選の時間帯には小雨が降り始めた。こうした天候により、前日に比べて気温、特に路面温度が上がらないコンディションでフリー走行4回目が行われた。ただ、レインタイヤを履くほどではなかったようで、ライダーたちは終始スリックタイヤによって走行を行っている。

 フリー走行4回目はトップがバスティアニーニ、2番手がビニャーレス、3番手がアレイシ・エスパルガロだった。クアルタラロは4番手、バニャイアは5番手に続いている。中上は16番手、渡辺は25番手だった。

■予選:ミラーが4年ぶりのポールポジション

 予選Q1は気温25度、路面温度29度で始まった。天候は相変わらず不安定だったが、全ライダーがスリックタイヤでアタックを実施。セッション前半ではマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)がトップに立ち、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が2番手に続く。

 その後、セッション後半ではややコンディションが悪くなったようで、タイムの更新や大きな順位の変動はなく、トップはベゼッチ。2番手にはただひとり、と言える後半にタイムを詰めたルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が入り、ムーニーVR46レーシング・チームのふたりがQ2進出を決めた。中上は12番手、渡辺は13番手だった。

 なんとも難しいコンディションの中、続いてQ2が始まった。このセッションの序盤ではオリベイラとフランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、エネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)、ミラー、ベゼッチなどがスリックタイヤ、そのほかのライダーがレインタイヤを履き、タイヤ選択が分かれた。

 前半のアタックではスリックタイヤを履いたライダーが上位を席巻。ミラーがトップに立った。これを受け、序盤にレインタイヤを選択したライダーたちもピットイン時にスリックタイヤに変更。雨を知らせるレッドクロスは依然として振られていたが、それだけ判断が難しいコンディションだったと思われる。

 残り5分を切って、上位は激しく入れ替わった。なかでも8ラップ目に1分32秒を切ったミラーは、1分31秒899を記録してトップに浮上。ミラーがポールポジションを獲得した。ミラーにとっては2018年アルゼンチンGP以来となるポールポジションである。

 チームメイトのバニャイアも最後のアタックで1分32秒を切り、2番手。バスティアニーニが3番手に入り、ドゥカティがポールポジション、2番手、3番手を独占した。ただし、バニャイアは金曜日フリー走行1回目の走行ライン上でのスロー走行に対して3グリッド降格のペナルティを科されているため、明日の決勝レースは2列目からのスタートとなる。

 4番手はベゼッチ。というわけで、バニャイアの3グリッド降格があっても、ドゥカティとしてはフロントロウを占めることになる。5番手はビニャーレス。クアルタラロは8番手、アレイシ・エスパルガロは9番手だった。

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