急行「鷲羽」と宇高連絡船を再現 1日限り 宇野港に往時のにぎわい

鉄道ファンらの出迎えを受け、JR宇野駅に到着した急行「鷲羽」の再現列車

 1960年から80年まで玉野市と関西圏を結んだ、旧国鉄の急行「鷲羽」を再現した特別列車が4日、JR姫路駅と宇野駅間で運行された。1910年に就航し、88年に廃止された宇高連絡船に見立てたフェリーも同市・宇野港と高松市・高松港を34年ぶりに1往復。かつて本州と四国をつないだ基幹交通が1日限りで復活した。

 鷲羽の運行は、JR西日本と岡山県などが展開する大型観光企画・岡山デスティネーションキャンペーンの一環。これに合わせ、玉野市内の愛好家グループが宇高連絡船の運航を実現させた。

 午前8時31分に姫路駅を出発した鷲羽は約200人を乗せ、同11時10分に宇野駅に到着。旧国鉄時代に製造された115系車両(6両編成)の姿を捉えようと、待ち構えていた多くの鉄道ファンらが盛んにカメラのシャッターを切っていた。

 宇高連絡船は、船体が白、煙突がオレンジなど共通点が多い四国汽船(香川県直島町)のカーフェリー「せと」をチャーター。約500人が乗り込み、同11時45分に出港。乗客は紙テープを投げたり、手を振ったりして、往時のにぎわいを再現した。

 急行と連絡船を乗り継いだ会社員(31)=香川県宇多津町=は「いずれも私が生まれる前に現役だった乗り物。とても貴重な体験ができた」と話していた。

宇野港を出港する宇高連絡船を再現したフェリー

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