来季のドゥカティ僚友同士がミサノで激突。0.034秒差でバニャイアが優勝を飾り4連勝を達成/MotoGP第14戦サンマリノGP

 9月4日、MotoGP第14戦サンマリノGPの決勝レースがイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われ、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が優勝を飾った。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は15位、渡辺一樹(チーム・スズキ・エクスター)は21番手。サンマリノGPで引退するアンドレア・ドヴィツィオーゾ(WithUヤマハRNF・MotoGPチーム)は12位だった。

 サンマリノGPのレースウイークは、土曜日の予選の時間帯に小雨が降ったものの、日曜日は快晴となり、決勝レースは気温27度、路面温度43度のドライコンディションで行われた。なお、予選で2番手を獲得したフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は、初日フリー走行1回目の走行ライン上のスロー走行により、3グリッド降格のペナルティを受けており、2列目5番グリッドからのスタートとなっている。

グリッドにつく渡辺一樹(チーム・スズキ・エクスター)/2022MotoGP第14戦サンマリノGP 決勝

 トップに立ったのはポールポジションスタートのジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)で、2番手にエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)、3番手には2列目スタートとなったフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が続く。

 また、このレースの1周目1コーナーでは多重クラッシュが発生し、ヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)、ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)、ミケーレ・ピロ(Aruba.it レーシング)が転倒を喫した。

 今週末、安定した速さを見せていたミラー。しかし、2周目の4コーナーでまさかの転倒。さらに上位を走っていたマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)も10コーナーでクラッシュし、ドゥカティライダーふたりが序盤に上位から脱落する展開となった。ミラーとベゼッチは転倒後、レースに復帰している。

 そんな中、レースをけん引したのはもうひとりのドゥカティ・レノボ・チームライダー、バニャイアだった。バニャイアがトップ、そして3周目にマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)が2番手に浮上し、3番手にバスティアニーニ、4番手にルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)、5番手にアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)と、トップ5はドゥカティとアプリリアが占める。ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は6番手。アレイシ・エスパルガロの後ろにつけていた。

ルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)/2022MotoGP第14戦サンマリノGP

 トップ争いはバニャイアとビニャーレスによる争いとなった。ただ、3番手のバスティアニーニ以下もトップ2に続いており、展開は予断を許さない。7周目にはクアルタラロがアレイシ・エスパルガロをかわして5番手に浮上し、バニャイア、ビニャーレス、バスティアニーニ、マリーニの4人が形成するトップ集団の後方を走行していた。

 トップ争いはしばらく小康状態を保っていたが、15周目、16周目と相次いでビニャーレスがファステストラップを記録し、再びバニャイアに接近していくが、バニャイアもわずかにペースを上げる。バニャイアとビニャーレスはわずかな差を保ちながら周回を重ねていった。

 しかし残り9周、ビニャーレスがラインを外してはらんだところで、バスティアニーニの接近を許す。ビニャーレスに迫ったバスティアニーニは、残り8周でビニャーレスをオーバーテイク。バスティアニーニが2番手に浮上し、ビニャーレスが3番手に後退した。

 2番手に浮上したバスティアニーニは、じりじりとトップのバニャイアとの差を詰めていく。そして残り5周、その差は0.2秒を切るまでになった。しかし、ふたりの順位は変わらないまま、最終ラップに入る。最終ラップにの最終コーナーを立ち上がっても、バニャイアがトップ。しかし、最終コーナー立ち上がりからフィニッシュラインまでの短いストレートで、バスティアニーニがバニャイアに並びかけた。

チェッカーを受けた瞬間の様子/2022MotoGP第14戦サンマリノGP

 この接戦を制したのは、バニャイアだった。この優勝により、バニャイアは4連勝を達成した。バスティアニーニはわずか0.034秒差の2位。レース後半までバニャイアを追い詰めたビニャーレスは3位で、今季3度目の表彰台を獲得している。

 4位はマリーニ。クアルタラロは5番手にポジションを上げて以降、トップに迫ることはできず、5位でゴールした。アレイシ・エスパルガロは6位だった。この結果、バニャイアがチャンピオンシップでクアルタラロから30ポイント差のランキング2番手に浮上し、バニャイアと3ポイント差でアレイシ・エスパルガロがランキング3番手となった。

 このサンマリノGPをもって引退を表明しているアンドレア・ドヴィツィオーゾ(WithUヤマハRNF・MotoGPチーム)は12位でMotoGPのラストレースを締めくくった。

 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は15位フィニッシュ。ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)の代役参戦を務めた渡辺一樹は21位だったが、トラックリミット違反による3秒加算のペナルティを受けている。

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