<金口木舌>絵文字から考える「家族」

 スマホでメッセージを送るときに使う絵文字。最近はその多用は「おじさん構文」「おばさん構文」とからかわれることもあるが、絵文字一つで感情を表せるのはやはり便利だ

▼日本発祥の絵文字は世界共通の「言語」となり、近年は人種や性の多様性への配慮も進む。肌の色は選べるようになり、家族の絵文字も異性カップルに子ども2人の「標準世帯」だけでなく、ひとり親、同性カップルと子どもなどさまざまなパターンがある

▼タレントのryuchell(りゅうちぇる)さんが妻のpeco(ぺこ)さんと法的な夫婦関係を解消し、今後は「人生のパートナー」として歩んでいくことを発表した

▼発表文の中でりゅうちぇるさんは「夫」らしく生きていかないといけないと苦しんだことを吐露した。人の生き方も家族の在り方も本当は多様なのに、日本では見えにくい。だから苦しむ人がいる

▼絵文字の世界のように多様な家族の姿が見える方が誰もが生きやすい社会だ。新しい家族の形を発信するりゅうちぇるさんにエールを送りたい。

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