【関東大震災99年】隅田川の「復興橋梁」 専門家「今も欠かせぬインフラ」 強度高め景観も重視

隅田川に架かる橋の一つ「新大橋」。関東大震災時に焼け落ちず、後に「人助け橋」と呼ばれた。往事の姿を伝えるレリーフがある=2018年10月

 東京都内の隅田川に架かる関東大震災の「復興橋梁(きょうりょう)」をテーマにした講演会が4日、都慰霊堂(墨田区)であった。震災時に大火に見舞われた東京では多くの橋が焼け落ち、避難の妨げになった。その教訓から強度を高め、景観も重視して建設された復興橋梁について、専門家は「震災から99年が過ぎた今も欠かせないインフラだ」と指摘した。

 登壇したのは、都庁で長年、橋の建設や管理などに携わった都道路整備保全公社の紅林章央さん(62)。東京東部の下町を流れる隅田川には現在、30以上の橋が架かっており、「『橋の博物館』や『橋の展覧会』と呼ばれている」と説明した。

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