“備え着々” 台風、長崎県接近 海や空の便運休も 宿泊予約相次ぐ

欠航の張り紙が掲示された窓口=長崎市元船町、長崎港ターミナルビル

 長崎県内では4日も、台風11号の最接近への備えが進められた。避難先としてホテルを予約する人が相次ぎ、既に「満室」となった施設も。海や空の交通機関の運休も続々と決まった。
 県内のホテルでは、暴風域に入ると予想される5日の予約が埋まりつつある。夫婦で長崎市内のホテルに宿泊予定の70代女性は「夫が基礎疾患があり、新型コロナ対策も万全なホテルが安全。台風情報が出てすぐに予約した」。五島市中心部のホテルでは高齢者や未就学児がいる家族連れが目立ち、「新型コロナや暑さで避難所を避けたいという声もある」と担当者。

5日夕方ごろから無料開放する予定の立体駐車場=佐世保市、マルハン佐世保店(画像は一部加工)

 ホームセンターや食料品店は在庫を十分に確保し対応。西彼長与町高田郷の「OKホーム&ガーデン長与店」は、養生テープや懐中電灯など防災関連商品を昨年の2倍以上仕入れ、入り口に専用コーナーを設置。村部貴文店長は「在庫は十分あるため冷静に対応してほしい」と話す。
 2年前の台風接近時に続き、車の避難場所として立体駐車場を無料開放するパチンコ店も。佐世保市日宇町の「マルハン佐世保店」は5日夕方ごろから、立体駐車場2階(約220台分)を開放する予定。「(開放で)地域の不安を解消できたら」と金子裕介店長(45)。5日夕方ごろ同店公式ツイッターなどの交流サイト(SNS)で告知するという。
 JR九州は、5日午後7時ごろから普通列車を減便し、午後9時ごろから運転を見合わせる。特急も減便する。空の便では離島と本土を結ぶ5日の計8便の欠航が決定。海の便では5、6両日、九州商船がジェットフォイルと高速船全便、五島産業汽船も全便運航を取りやめる。
 長崎市は4日、長崎みなとメディカルセンターに臨時設置中の「ドライブスルー抗原検査センター」について5日の検査は実施しないと明らかにした。


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