中上貴晶「序盤はフィーリングが悪く苦戦した。後半はグリップが出たが、その時は遅すぎた」/MotoGP第14戦サンマリノGP決勝

 9月4日、2022年MotoGP第14戦サンマリノGP MotoGPクラスの決勝がイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われ、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は15位でチェッカーを受けた。

 予選日は断続的に小雨が続き、難しいコンディションとなったが、決勝日は青空が広がり、全てのセッションがドライコンディションで行われた。朝のウォームアップ走行では、計12周回をこなして、ラストアタックで1分32秒910をマークして17番手で終え、決勝前最後の調整を行った。

 迎えた決勝は気温27度、路面温度43度のドライコンディションでスタートした。フロントにハードタイヤ、リヤにミディアムタイヤを選択して決勝に挑んだ中上は、後方8列目の22番グリッドからひとつポジションを上げてスタートを切った。しかし、その直後に前方を走るヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)、ミケーレ・ピロ(Aruba.itレーシング)、ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)の3台が絡む多重クラッシュが1コーナーで起き、20番手となったが、避けるために前のグループとの差が広がるという厳しい戦いで始まった。

 レース序盤に前を走るライダーの転倒が相次ぎ、わずか3周目で17番手までポジションを上げる形となり、その後は中上がオーバテイクを仕掛けて着実にポジションを上げていく。まず、13周目では前を走るレミー・ガードナー(テック3KTMファクトリー・レーシング)をパスして16番手に上がると、レース中盤からは1分34秒台から1分33秒台へとアベレージを上げて、終盤まで安定した走りで順位をキープする。

 そして後半にはさらに、トップグループのラップタイムに匹敵する1分32秒台で連続ラップを刻み、残り5周に差し掛かったところで、ダリン・ビンダー(WithUヤマハRNF・MotoGPチーム)をパスして15番手にポジションを上げる、そのままチェッカーを受けた。

 初日から予選日までの2日間、セッティングや難しいコンディションに左右され苦しみ、追い上げのレースに挑んだ中上は、決勝では見事に追い上げてポイントを獲得した。この後ミサノでは9月6〜7日の2日間に渡り、公式テストが行われるが、そこでは次戦の第15戦アラゴンGPに向けてさらにセットアップを進め、パフォーマンスを上げていく意気込みだ。

■LCRホンダ・イデミツ中上貴晶(決勝:15位)
「スタートはよかったのですが、ターン1で大きなクラッシュがあり、運良く避けることができました。そのアクシデントでいくつか順位を下げてしまい、それに加えて、レース序盤はマシンに自信を持つことができず、フィーリングも悪かったので苦戦しました。後半になると徐々にプッシュできるようになり、グリップも出てきました。ラップタイムも悪くなかったのですが、その時は遅すぎました」

「今週末は本当に苦戦しましたが、火曜日と水曜日には、ここで重要なテストがあります。2日間のテストはとてもポジティブであり、引き続き、仕事を続けていきます。明日は少し休んでテストに挑みます」

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2022MotoGP第14戦サンマリノGP
中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2022MotoGP第14戦サンマリノGP
中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2022MotoGP第14戦サンマリノGP
中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2022MotoGP第14戦サンマリノGP
中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2022MotoGP第14戦サンマリノGP
中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2022MotoGP第14戦サンマリノGP

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