川村壱馬、吉野北人、前田公輝ら再び躍動!『HiGH&LOW THE WORST X』 三山凌輝&中本悠太にも注目のシリーズ最新作

『HiGH&LOW THE WORST X』©2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 ©髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

楓士雄、司、轟が帰ってきた!

ご存知『ハイロー』シリーズ待望の新作にして前作『HiGH&LOW THE WORST』(2019年:以下『ザワ』)の続編、『HiGH&LOW THE WORST X(クロス)』(以下『ザワクロ』)が2022年9月9日(金)より公開。主人公・花岡楓士雄(川村壱馬)や高城司(吉野北人)、轟洋介(前田公輝)ら鬼邪高校、通称オヤコーの面々が再び激しいバトルを繰り広げる。

まず本作は『ザワ』と同じく、シリーズの要である<SWORD>地区における派閥争いの流れとは切り離しても楽しめる作りになっている。SWORDの「O」を担うオヤコーは過去シリーズで定時制と全日制に切り離されたこともあり、人気不良漫画「クローズ」「WORST」の髙橋ヒロシ氏とのコラボ作だった『ザワ』の続編として、今回もわんぱく少年たちの友情×バトル映画として単体で存分に見応えのある仕上がりだ。

とはいえ当然『ザワ』は予習しておけば感情移入度が段違いだし、全キャラを網羅しておきたければ、オヤコー前日譚ドラマ『HiGH&LOW THE WORST EPISODE.0』(2019年)や、楓士雄と幼なじみたち中心の群像劇『6 from HiGH&LOW THE WORST』(2020年)も予復習しておいて損はないだろう。前者は『ハイロー』本流からの流れを補完でき、後者も感涙エピソード満載でイッキ観必至だ。

ケレン味たっぷりの「ハイロー歌舞伎」的バトル&ドラマ

最強の番長だった定時の村山が卒業後のオヤコー。全日の楓士雄や司、ジャム男(福山康平)は、かつて拳を交えた轟や、泰志(佐藤流司)&清史(うえきやサトシ)ら各派閥との絆を深めつつ、さらに数々の武勇伝を持つ鈴蘭高校の頭・ラオウ(三上ヘンリー大智)にアポなし突撃をかましたりしていた。

しかし番長となった楓士雄はいまや、その首を狙われる立場。中でもエンジ色の学ラン=瀬ノ門工業高校は頭の天下井公平(三山凌輝)が須嵜亮(中本悠太)という最強の矛を手に入れ、オヤコーの牙城を崩すべく虎視眈々と機会を狙っていた。そして鎌坂高校と江罵羅商業高校を傘下に加え“三校連合”を結成し勢力を拡大すると、ついに“オヤコー狩り”を開始する……。

今回も集団/閉所ファイト・シーンでは日本映画界、いや世界屈指であろうコレオグラフィーが素晴らしい。ドラマ面でも鳳仙学園の再参戦にブチ上がるし、個々の魅力を倍増させるカップリングにもニヤニヤが止まらない。吉野の圧倒的美貌、前田の切れ味と透明感、佐藤の猫的キュートさには拍車がかかり、川村は髙橋ヒロシ作品の主人公よろしく陽性のカリスマを放出する。

初参戦となる三山と中本はどっぷりと妖しさを纏ったヴィランぶりを見せつけ、鈴蘭はビンゾーこと不死身の宮内幸三を演じる板垣瑞生が白眉のハマり具合、さらにラオウ役に抜擢された三上は、その名の通り世紀末救世主伝説さながらの存在感である。

……あらためて2時間強とは思えない情報量の多さで全キャラの魅力を伝えられずもどかしいが、それも『ハイロー』がシリーズを通して積み上げてきた数々のドラマがあるからこそ。あくまで高校生同士の抗争という枠からは逸脱せず、最大のテーマに“仲間の絆”を掲げることでバトル中も互いがフォローし合い、自然と横の繋がりが強調される……そんな中に“耽美系ハイロー歌舞伎”とでも言うべきギンギラした見栄の切り合いが散りばめられた構成には、終始トリハダが止まらないはずだ。

一度摂取すると『ハイロー』ロスになり、つい過去作を観返してしまう中毒性の高い同シリーズ。むしろ『ザワクロ』から入って遡っていく楽しみ方も全然可能なので、性別年齢問わず、食わず嫌いしている人にこそオススメしたい作品だ。

『HiGH&LOW THE WORST X』は2022年9月9日(金)より全国公開

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