熱海土石流の残った盛り土撤去の命令期限迎えるも、前所有者側は応じず 静岡県は6日にも行政代執行の最終的判断

静岡県熱海市で起きた土石流をめぐり、残ったままの盛り土の撤去を求めて静岡県が前の土地所有者に対して発出した措置命令は9月5日が着手期限です。前の所有者側は措置命令に応じない姿勢を示していて、県は6日にも行政代執行の手続きに入るかの最終的な判断をする方針です。

熱海市の土石流の起点で崩れずに残ったままの不安定な盛り土約2万立方メートルの撤去をめぐり、8月、静岡県は新しい条例に基づき、前の土地所有者に対して、措置命令を発出しました。

9月5日にその着手期限を迎えましたが、現在までに前の所有者側は措置命令に応じておらず、今後も応じるつもりはないとしています。

また、前の所有者側は崩落の原因究明を踏まえたうえで、措置命令を取り消すよう行政訴訟を起こすとしています。

関係者によりますと、現状を踏まえ、県は6日に盛り土をめぐる会議を開き、行政代執行の手続きに入るかの最終的な判断をする方針です。

一方、この前土地所有者などを相手取り遺族などが損害賠償請求を起こしていますが、5日午後には遺族や被災者113人が新たに熱海市と静岡県を相手取り、64億円あまりの損害賠償を求め、裁判を起こす方針です。

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