元F1レースダイレクターのマイケル・マシ、地元の豪州スーパーカーで要職に就任へ/RSC

 物議を醸した2021年シーズンの終了を待って、フォーミュラ1のレースダイレクターから退いたマイケル・マシが、地元オーストラリアで“復職”し、同国が誇る人気シリーズRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの運営委員会で要職に就任。以前にも、RSCで副レースダイレクターの役割を担っていたマシは、新たに創設された”インディペンデント・チェアマン”に就任することがアナウンスされた。

 この8月末にもスーパーカー・コミッションへの復帰が報じられていたマシだが、この9月に入ってシリーズの殿堂入りを果たしているニール・クロンプトンから同コミッション議長職も引き継ぎ、すぐに職務に当たるという。

 地元“ダウンアンダー”ではモータースポーツ界のベテランとして認知されるマシは、TOCAオーストラリアを皮切りに、地元の自動車工業会やツーリングカー・エントラント・グループ、オーストラリア・モータースポーツ連盟(現在のモータースポーツ・オーストラリア)などで要職を歴任してきた。

 その実績を提げて2015年にRSCのステップアップ・カテゴリーにあたるダンロップ・スーパー2でレースダイレクターに任命されると、翌年には昨年限りでその職務を退いたティム・シェンケンのもと、スーパーカーの副レースダイレクターに任命された。

 そして2018年には、かのチャーリー・ホワイティングとともにFIAからF1での職務を任されると、ホワイティングの急逝を受けF1のレースダイレクターに昇格。その2019年時点では、地元スーパーカーでの役割も兼務していた。

 昨年末にスーパーカーの最高経営責任者(CEO)に就任したシェーン・ハワードは、マシがスーパーカーに復帰することに「この上ない喜びを感じているし、ワクワクするね」と歓迎の意を示した。

「このスーパーカーをまったく新しい時代に導くためすでに実施してきた、素晴らしい仕事を引き継ぐものだと考えている」と明かした新チェアマンのマイケル・マシ
2015年にダンロップ・スーパー2のレースダイレクターに任命されると、翌年にはスーパーカーの副レースダイレクターに

■「前任者の正統な後継者に相応しい」と高い期待

「我々の委員会が、マイケルをこのスポーツの重要な役職に任命したことをとてもうれしく思っている。コミッション・チェアマンの役割は、強力で独立した、堅牢なリーダーである必要があるからね」と続けたハワード。

「彼らは、委員会とそのプロセスを効果的に管理し、必要に応じて妥協点を導き出し、彼らを仲介し、優れたコミュニケーター、キュレーターになる必要があるんだ。マイケルはスーパーカーのチームオーナーや代表職、その他の利害関係者と何年にもわたって密接かつ勤勉に協力関係を築いており、このスポーツを未来に導く上で非常に貴重な経験とリーダーシップを持って、ここオーストラリアに戻ってきたんだ」

 そんなマシの経験をベースに、ハワードCEOは「素晴らしい仕事をした(前職)ニールの正統な後継者に相応しい」と高い期待を寄せる。

「この業界について、これほど幅広い理解と驚くべき情熱を兼ね備えた人物に会ったことはない。マイケルがここオーストラリアでレースの頂点に戻ってきたことを歓迎し、委員長としての役割を果たす彼と緊密に協力することを楽しみにしている」

 そのマシ自身も、この9月9〜11日に開催される次戦オークランドでの最初の任務を前に、新しい役割を引き受けることを「喜んでいる」と意気込みを語った。

「私はこの役割を、ニール(・クロンプトン)と委員会が、新車両規定Gen3のシボレー・カマロとフォード・マスタングの導入により、このスーパーカーをまったく新しい時代に導くためすでに実施してきた、素晴らしい仕事を引き継ぐものだと考えている」と明かした新チェアマンのマシ。

「この役職に任命されたことを非常に誇りに思っている。このスポーツの主要なステークホルダーたちと協力し、チーム、パートナー、スポンサー、そして最も重要なファンにとって、将来がよりエキサイティングなものになることを楽しみにしている」

2018年には、かのチャーリー・ホワイティングとともにFIAからF1での職務を任されると、ホワイティングの急逝を受けてF1のレースダイレクターに昇格。その2019年時点では、地元スーパーカーの役割も兼務していた
長年、地元のGPでサポート戦を務めてきたRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ

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