土石流災害からの復興どう向き合うか 熱海市長選は新人と現職の一騎打ち 両候補の主張に有権者はー静岡・熱海市

任期満了に伴う静岡県の熱海市長選が、9月4日告示され、選挙戦に突入しました。立候補しているのは、新人で元熱海市議の泉明寺みずほさんと、5期目を目指す現職の斉藤栄さんです。熱海市政、最大の課題は土石流災害からの復興です。

<新人・泉明寺みずほ候補>

「1年間、責任も所在のありかもしっかりと自分に受け止めない。そういう方を4年間、そんな方に市政を任せることができますか。私は責任を取るために市長になります」

<現職・斉藤栄候補>

「私は決して逃げません。私は決して放り出しません。どんな困難があろうとこの熱海を、熱海の未来を必ず切り開いてまいります」

9月4日に選挙戦に突入した熱海市長選。今回の選挙戦で、土石流災害からの復興、原因究明は避けられません。

<熱海市民>

「(土石流災害に関して)明らかにして、責任の所在をきっちりして、補償問題とかもあるんじゃないかと思うので、包み隠さずみんな出してきっちりとやるべきではないか。市長が先頭になって旗を振って」

<自宅が被災した太田滋さん>

「原因(究明)だけじゃなくて避難についても検証してくれる人に(票を)入れたいと思う」

伊豆山港の復興にも、時間はかかりそうです。

<漁師の金子雄一さん>

「港が埋まってるだとか、いろんながれきもまだ残っているし、潜ってみれば泥も何十cmも堆積している状況で」

<廣田昭由記者>

両候補とも最大の課題と位置付けるのは、伊豆山地区の復旧・復興です。土石流災害によって伊豆山地区の一部は法律で立ち入りを禁止する警戒区域に指定され、現在も132世帯235人が避難生活を余儀なくされています。

熱海市は2023年8月には、警戒区域を解除する方針を示していて、「復興計画」に基づき2025年度中に住宅再建を開始するといったスケジュールを示していますが、計画ができたところからがスタートで、住民の声を聴きながら柔軟な姿勢で復興を進めることが必要です。

<井手春希キャスター>

土石流災害のほかに注目されるポイントは?

<廣田記者>

長引くコロナの影響で宿泊客数が2021年度は170万人まで落ち込み、「観光」の立て直しは喫緊の課題です。両候補の観光再生への訴えです。

<新人・泉明寺みずほ候補>

「熱海にはいっぱいオンリーワンがあります。文化、伝統、温泉をひっくるめて熱海のオンリーワン。その先に、この町に住もうという希望がある」

<現職・斉藤栄候補>

「首都圏のみならず、中京圏のプロモーション、花火の追加開催、そして平日の旅館ホテルの利用活用、こうしたことで熱海がコロナから最初に回復した温泉観光地だ言えるように必ずやっていきます」

<廣田記者>

コロナと観光は直結する問題でもあり、観光で成り立つ熱海にとって感染対策と観光再生は欠かせないテーマです。

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