桜設営業者の落札「正式な手続きでと認識」総理

 安倍晋三元総理の国葬の企画・演出業務に「桜を見る会」の設営業務を担当していた日本テレビホールディングス傘下の都内のイベント会社「ムラヤマ」が1億7600万円で落札したことに、岸田文雄総理はこの業者が「政府の東日本大震災慰霊祭、毎年8月行っております戦没者慰霊祭を担当している。日本武道館でこうした事業を担うことができる業者は4社ほどと聞いている」と述べ「今回正式な手続きの下で落札されたものと認識している」と記者団の問いに4日、答えた。

「桜を見る会」の会場設営の落札業者は2013年~19年までの間、14年に3社入札があったが、その他の年は「ムラヤマ」のみの入札で落札していた。その業者が落札したことから「元総理の国葬を担当すると言う偶然」(蓮舫参院議員)とツイッターするなど、ネット上で話題に。

 エコノミストの門倉貴史氏は「一般競争入札を行う場合、応札側は見積もり作業を行ったうえで応札価格を決める。国葬業務の競争入札は8月17日~18日に公開されたので、一般論として、大型案件にこれほどの短期間で見積もり作業を行うのは(事前に何らかの情報を得ていない限り)通常はかなり難しいと考えられる」とツイッターに投稿。

 企業の渉外を担当していたという投稿者は「国葬に限らずGoToなどもですが国の補助事業などで対応できる企業が限られるのは、そうした所には公募前に事前に説明があるからです。そんなことはない、というでしょうが、企業の渉外を担当したことがあり、そうした情報を公表前にいかに掴むかが仕事でした。国側も公募とは名ばかりで相談の上でその企業しか受けられないような要件を公募に入れ込みます。そうしたことの積み重ねで、事前相談がなくても対応できるノウハウができあがり、公募即応募ができるような状態になっていきます」と一般競争入札が形骸化している旨を提起している。(編集担当:森高龍二)

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