現役高校生達が、地元徳島県三好市の観光促進の為に選んだ手法はASMR!?【part1】

全国に先駆けて、徳島県立池田高校でASMR動画を活用した総合的な学習(探究)の授業が行われています。

ASMR動画、ご存じでしょうか?
ASMRとは、最近、動画共有サイトなどに多数投稿されている「人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚」を起こさせる動画です。
ASMRを感じるきっかけや感じ方には個人差がありますが、睡眠導入の補助とストレス解消のために利用する人が増えています。

そのASMR動画を使って、コロナ禍で減った観光客を呼び戻そうという取り組みが徳島県三好市内の高校生達から生まれました。

文部科学省が2021年に学習指導要領の改訂を行い、2022年度から高等学校の「総合的な学習の時間」を「総合的な探究の時間」としました。
総合的な探究の時間とは、「変化の激しい社会に対応して、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標とする」という事で、「社会で求められる力=生きる力の育成」です。

高松出身の音風景作家・サウンド空間デザイナーの庵谷文博氏を講師に招き、課題に取り組む

徳島県立池田高校ではこの探究の授業を全国に先駆けて行ってきました!

中でも、音風景作家でサウンド空間デザイナーの庵谷文博氏を講師として招き、庵谷さんの指導の下、聴覚で市をアピールする「三好の音」を制作するグループの密着ルポをお届けします。

庵谷氏は香川県高松市出身で、故郷の町長から相談を受けベッセルおおち大ホールにDCSを導入し、その施設が世界最高峰であることからルーカスフィルムのアカデミー音響編集賞・録音賞受賞者・視覚効果賞受賞者が見学に来日するなど世界からも注目されている「音」のスペシャリストです。

キーワードは「聴覚」!三好市の魅力を「音」で伝えよう!!

2021年度の「総合的な探究の時間」音グループに集まったのは池田高校2年生15人程。

最初から「音」で何かを表現する事に興味があった生徒、総合的な探究の時間を通して三好市の魅力を伝える手伝いがしたいと考えた生徒、何となく面白そうだとこの授業を選択した生徒など理由は様々でした。

そこで、庵谷氏は「徳島県三好市はアメリカニューヨーク拠点の大手旅行雑誌「トラベル+レジャー」で、「2018年に訪れるべき50の旅行地」に 日本では唯一「祖谷渓」が選ばれるなど国内でも貴重な場所として注目を浴びおり、また2021年11月には、世界一の旅行ガイドブック「ロンリープラネット」で四国が世界第6位と注目されている」と徳島県三好市が世界から見ても魅力的な場所であると伝えました。

しかし、時はコロナ禍真っ只中。国内でも県外への移動は制限され、海外からの旅行客も渡航制限により激減しました。

そんなコロナ禍だからこそ、音を観光資源に観光客を呼び戻そうという提案です!

海外からの人気も高い祖谷渓など、豊かな自然を有する三好市の「音」を観光資源に

近年、焚き火の音や野鳥の声など「自然の音」が快眠音として動画共有サイトなどで多く再生されていることから、人々は精神的にも肉体的にも癒しを求めており、「音」に対する認識が高まっています。

キーワードは五感の1つである聴覚です。三好市の魅力を音で伝え、海外だけでなく様々な理由から気軽には旅行が出来ない人にも三好市を広めようと生徒達に呼びかけました。

音の重要性が注目されている今の時代…「サウンドデザインとは?」から始まる授業

サウンドデザインとは、多様なニーズに合ったサウンドトラックを作成するための技術と実践で、オーディオ制作技術とツールを使用し聴覚要素を指定・取得・または作成することがあげられます。
映画制作・テレビ制作・ビデオゲーム開発・劇場・録音・再生・ライブパフォーマンス・ラジオ・楽器開発など、多方面な分野で採用されています。日常生活に音が無いことは考えられませんね。

ここで、庵谷氏が所有する機材の登場です。初めて見る機械に生徒達も興味津々。
機材の説明をしたり音のサンプルを聞かせながら、三好市のサウンドデザインとは?を共に考えます。

次回は、生徒達が実際に機材を使って池田高校内や三好市内での取材録音、素材録音の様子をお届けします。

(文・犬山涼)

【関連記事】
とくしま創生アワード2021で徳島県立池田高等学校の生徒がひらめき賞優秀賞を受賞!
池田高校の日本一に湧いた夏|【三好人】やまびこ打線“恐怖の九番打者”と呼ばれた男『山口博史』

© まるごと三好観光ポータルメディア