感染拡大は収束しつつもBA.2.75で再拡大の可能性 死者数増加懸念 東北医科薬科大学藤村茂教授

宮城県内の感染者数は、13日連続で前の週の同じ曜日を下回り減少傾向にあります。専門家は、BA.5による感染拡大は収束に向かっているとの見解を示しました。一方でBA.2.75、ケンタウロスの流行で感染が再拡大する可能性があると警戒感を示しています。

東北医科薬科大学藤村茂教授「現時点ではこのままの状態で少しずつだとは思うが、もっともっと減っていくと思いますので、だいぶ涼しくなってきたというのも要因の一つに挙げられる。窓を開けての換気というのが十分できるようになってきたというのも一つ大きい要因と思っています」

感染症学が専門で、東北医科薬科大学の藤村茂教授は、BA.5による感染拡大は収束に向かっているとの見解を示しました。

一方で、BA.5よりも感染力が強いとされるBA.2.75が流行すると、11月には感染が再拡大する可能性もあるとして、引き続き警戒が必要と話しています。

また、藤村教授が懸念しているのが死者の多さです。

2021年から9月までの新型コロナウイルスによる県内の死者数をまとめたグラフです。

8月は93件と2021年4月の35件を2.5倍以上上回り、過去最多を更新しました。

藤村教授は、3回目のワクチン接種の効果が低下していることと高齢者施設で感染が広がっていることが要因とみています。

東北医科薬科大学藤村茂教授「高齢者施設になると、感染対策のスペシャリストの方が必ずしも配置されてないんですよね。感染対策の考え方を高齢者施設も病院レベルにしっかりと上げていくのは今後の課題になると思いますから、そういった部分が行政も支援していただけるとありがたいなと」

過去にない爆発的な感染の拡大は医療現場のひっ迫を招き、宮城県は2日から全数把握を見直し発生届の対象を高齢者ら重症化リスクの高い人に限定しました。

藤村教授は、医療現場の負担は解消されたものの自治体ごとの感染者の詳細なデータが公開されなくなったことで、新たな課題が生まれたと指摘しています。

東北医科薬科大学藤村茂教授「例えば地域で何かイベントをやるとか、感染状況を知るという意味では非常に重要なデータだったわけです。ですけど、今回宮城県が全数把握を見直すことになって、地域のリアルタイムなデータが得られにくくなっているのは事実です。各地方の市町村の方々には、むしろ、その地域の医療機関との連携で、情報を集めていただくのは一つありなのかもしれません」

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