〈動画あり〉本番さながら 解体予定の保育園園舎で破壊伴う救助、消火訓練 新井消防署など

 新井消防署(妙高市諏訪町1)などは6日、間もなく解体予定の旧水上保育園(同市西条)で本番さながらの訓練を行った。実際に壁や天井などを破壊し、救助、消火活動を繰り広げた。

解体予定の旧保育園園舎を使い訓練。実際の救助、消火活動と同様に、破壊や放水を行う貴重な機会に約40人が参加した

 訓練会場は、妙高市が平成27年に閉園した旧水上保育園を提供。新井消防署の他、頸南消防署、上越消防署の特別救助隊と指揮隊など合わせて約40人が参加した。訓練施設以外の建物を使用するのは5年ぶりという。
 前半は通常より頑丈な網入りガラスの破壊やエンジンカッターでの鉄扉切断、天井板を破壊して消火ノズルによる放水などを実施。特別救助隊はコンクリート壁を破り、捜索や救助のための穴を開ける訓練を行った。
 後半は園舎2階で火災が発生し、複数人が取り残されているという想定で訓練。事前に建物内の詳細は明かされず、4班が代わる代わる現場に向かい、濃い煙が室内に充満する中で捜索、救助に当たった。後続の班とも情報を共有し、最終的に要救助者に見立てたダミー人形4体を救出した。
 新井消防署の草間勤署長(59)は「首都直下や南海トラフなど今後も巨大な地震による被害が想定される。実践形式の訓練で、若い職員の育成や効率的なやり方を考える機会になった」と、会場を提供した妙高市に感謝。「きょうの成果を持ち帰り、さらに検討して技術を身に付けてほしい」と参加者に期待を寄せた。
     ◇
訓練の動画 

 

© 株式会社上越タイムス社