「まるで犯罪者扱い。見合う論拠をもっと明確に論ずるべき」前土地所有者“命令”応じず 静岡県“残った盛り土”撤去の行政代執行手続き決定

静岡県は9月6日、盛り土の対策会議を開き、熱海市の土石流の起点に残ったままの不安定な土砂を撤去するために行政代執行の手続きに入ることを決めました。前の土地所有者は代執行について「見合う論拠をもっと明確に論ずるべきだ」と厳しく批判します。

<森貴志 副知事>

「この不安定な土石をいち早く撤去する。行政代執行を実際に行う方針を決定して本日から実際の手続きに入る」

静岡県の幹部と県警が参加した6日の会議で、県は被災地の警戒区域の解除や復旧・復興を急ぐために熱海市の土石流の起点に残る盛り土の撤去に向けて、行政代執行の手続きに入ることを正式に決めました。

6日から工事業者の入札の手続きに入り、実際の代執行の着手は10月中旬以降となる見込みです。

<森貴志副知事>

「前所有者に対して撤去命令を発出したわけだが、本人から拒否されたことについては誠に遺憾」

副知事に名指しされたのは盛り土の前の所有者で不動産会社の男性代表(72)です。SBSのカメラの前で初めて顔を出してのインタビューに答えました。

<不動産会社の男性代表(72)>

「措置命令によって名前や会社名が公表されたので、私たちがこれ以上顔を出さないでやる理由がないので堂々とこれからは応じようと」

静岡県は8月、新条例に基づき、盛り土の撤去を求めて代表の男性に対して措置命令を発出。9月5日、着手期限を迎えましたが、代表の男性は命令に応じませんでした。

<不動産会社の男性代表>

Q措置命令に応じなかった理由は

「私たちが除去しなければならない論拠が見当たらないしたがって応じることはできない。県の対応は終始一貫している。冒頭からイメージ操作を感じていたので今回の措置命令について私は同じような考え、簡単な言葉で言えば、落とし込み、いわゆる犯罪者扱い」

行政代執行の方針が決まったことについては。

<不動産会社の男性代表>

「もし行政代執行するならばそれに見合う論拠をもっと明確に論ずるべきだ」

静岡県は行政代執行前の事実上の最後通告となる「戒告」の文書を出す準備も進めています。

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