「同乗の職員が確認するものだと…」バス運転の理事長 車内の確認怠ったか こども園女児置き去り死亡事故

9月5日午後、静岡県牧之原市で通園バスの中に3歳の園児が置き去りとなり死亡した事故で、職員の落ち度が明らかになりました。降車時の子どもの人数確認について、運転手だった園の理事長は「同乗していた70代の女性職員がするものと考えていた」と話している事が分かりました。

<伊豆川洋輔記者>

「午前9時過ぎです。県警の捜査員およそ10人が事故のあった幼稚園に家宅捜索に入ります」

6日午前9時過ぎ、警察の捜査員およそ10人が牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」に家宅捜索に入り、園の管理体制などを示した資料を押収しました。容疑は業務上過失致死。3歳の女の子が犠牲になった痛ましい事件です。

5日午後2時過ぎ、「川崎幼稚園」の通園バスの中で園児が心肺停止の状態で発見され、運ばれた病院で女の子(3)の死亡が確認されました。

女の子は5日朝の登園時に通園バスに乗り、そこから5時間にわたって置き去りにされたとみられ、警察は先ほど死因は重度の熱中症(熱射病)と発表しました。

バスの中で発見された際、女の子は車両右側の3列目の付近で頭を通路側に向けてあおむけに倒れていました。発汗がなく、皮膚が乾燥している状態だった模様です。

<川崎幼稚園 増田多朗事務長>

「申し訳ございません」

Qきょうは通常通り運営する?

「ここは閉園しますので、子どもは来ません」

<篠原大和記者>

「牧之原警察署です。警察が通園バスの捜査を進めています」

警察は女の子が乗っていた通園バスを押収し、捜査を進めています。

事件当時、このバスは園の理事長が運転、女性職員が添乗していましたが関係者によりますとこれまでの行政側の調査で2人とも登園した子どもを降ろす際に車内の確認を怠っていたことが明らかになりました。

2021年7月には福岡県中間市の保育園で5歳の男の子が通園バスに9時間置き去りにされ、熱中症で死亡しました。

この事件を受け、厚生労働省が出した通知では、通園バスを運行する際には、子どもの降車時に座席や人数の確認を実施し、ダブルチェックすることなどが求められています。

しかし、5日は理事長が臨時で運転手を務めていて、これまでに「園児の確認は女性職員がするものと考えていた」などと話しているということです。

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