川崎の首都高多重事故 原因の車両火災起こした疑いで男性ら書類送検

神奈川県警高速隊

 川崎市川崎区の首都高速道路湾岸線のトンネル内で2019年12月、23人が死傷した多重事故で、事故の引き金となった車両火災を起こしたとして、県警高速隊は6日、業務上失火と自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで、千葉県市川市にある運送会社元社員の男性(70)=東京都江東区=を書類送検した。また同社社長の女性(47)も同日、業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。

 男性が故障でトンネル内に止めたトラックが炎上しており、県警はその煙が充満して視界が悪化したことで多重事故が起きたと判断した。交通事故に絡み、業務上失火罪を適用する例は少ない。

 男性の書類送検容疑は、同年12月17日午後10時50分ごろ、川崎区東扇島の湾岸線上り川崎航路トンネル内で、故障で火災が起きたトラックを停車させ、その煙を充満させたことで事故を引き起こし、千葉県富津市在住のバス運転手=当時(50)=を死亡させ、男女22人に重軽傷を負わせた、としている。

 同隊によると、男性はトンネル入口の手前約2キロでエンジンの不調と煙に気付いたが、そのまま走行。トンネル内でエンジンが止まった。約10分後に炎上し、その約10分後に停車した地点の約100メートル先で最初の追突事故が起きた。

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