小中高生の7%がゲーム依存症か、コロナ禍の影響も…20代の意見「社会的に満たされていない」から?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。9月2日(金)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、小中高生の7%が“ゲーム依存症”の可能性があるというニュースを取り上げました。

◆ゲーム依存症の子どもたち、コロナ禍で変化が…

長崎大学の研究チームは、小中高生の7%にゲーム依存症の可能性があるとの調査結果を発表。依存傾向にある児童・生徒らは不登校の割合が高く、情緒の不安や行動面で問題を抱えるケースも多かったと言います。

また、ゲーム依存傾向にある子どもは新型コロナに対する不安を強く感じる傾向にあり、新型コロナ流行後にプレイ時間やゲームに費やす金額が増えていることもわかりました。

この調査結果を受けて、コロナ禍におけるゲーム依存症の子どもたちへの特別なサポートが必要だとしています。

◆今回の調査結果をZ世代はどう読み取る!?

この報道に対し、ゲームを通じて脳を鍛えるなど、コミュニケーション能力を高める教育プログラムを提供している株式会社ゲムトレ代表の小幡和輝さんは、「(7%の子どもたちは)ゲーム依存症と診断されたわけではなく、その傾向がありそうな子どもたちが7%いたという話」と指摘します。

そして、ゲームを好む子どもたちに関して「そもそも社会的に満たされていないというのが前提としてある」とその背景を示唆。さらに、「大人であればアルコールやタバコなどいろいろあるが、子どもたちがハマるものはゲームぐらいしかない。前提としてゲームをいっぱいやっているからダメという話ではなく、根本的には(子どもたちが)社会的に満たされていないということを解決しないといけないことを理解してほしい」と小幡さん。

ゲームを取り上げるのは「居場所や逃げ場を取り上げるようなもの。それはむしろ一番やってはいけないこと」と注意を促します。

小幡さん自身、子どもの頃に不登校になり、その当時ゲームに没頭し、そこで友達が大勢できたと回顧。そうした自身の体験から「今は本当にゲームをやっていてよかったと思える人生。そういった話も聞いてほしい」と切望します。

日本大学 文理学部 助教の大澤正彦さんは、最初にこの報道を目にした際、元の論文を探して読んだことを明かし、「プレスリリースと論文の主張にはニュアンスが違うかもしれないと思った」と感想を口にします。

論文は、ある基準によって潜在的なリスクのある7%の子どもとそうでない子どもを分け、その差を比較していたものの、プレスリリースでは繰り返し主張されていたのはコロナの影響による変化、子どもたちにどういったサポートをしなければならないかだったと言及。

また、この論文の「ディスカッション」という章では、研究者たちがこの研究で何が言えるのか、どう解釈すべきなのか真摯に語っており、そこには「因果関係が言えるわけではない」、「何をしたら何がダメということを主張しているわけではない」といったことも。「(それらを読むと)報道されている言葉と、本当のことがこういうふうに報道されているのかがわかる。そうなると世の中の見え方が変わるんじゃないかと思う」と大澤さん。

臨床心理士のみたらし加奈さんは、「当然この7%が全てとは言わないが」と前置き、「7%のなかには実際に(ゲーム依存症の)診断を受ける可能性がある方もいるので、自己判断せずに、医療機関に行くのが一番」と勧めていました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

© TOKYO MX