伊集院光、AV新法の問題点について語る「現場でのヒアリングがなかった」

5日深夜放送の『伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)で、タレントの伊集院光がAV出演被害防止・救済法(AV新法)の問題点について語った。

伊集院は番組で、業界関係者にAV新法施行後の現場の混乱について聞いた話をしていた。

この法は、望まない悪質な契約などで、被害に遭う女性を減らすために公布・施行されたことになっているが、契約書や内容説明の義務化、契約から1か月間の撮影禁止、撮影後4か月間の公表禁止など、細かく定められているため、収入が減ったセクシー女優も多く、制作会社も混乱しているという。

伊集院は「嫌なのにも関わらずAVに出たりとか、聞いてたのと違う内容で撮影がされるって言うことはよくないことなので、新しい法律はこういうことをしなくていい、こういうことにならないような法律を作るべきだけれども、この法律、作りたいって思ってから施行されるまでが異様な早さで行われている上に、現場でのヒアリングがないワケ」と、この法律が議論開始から2か月あまりでのスピード立法となったこと、業界団体、関係者に全くヒアリングをしていないことを問題と話した。

特にヒアリングをしなかった影響で、本来守るはずだったセクシー女優たちが被害を被っているということで「もちろんセクシー女優さんの経験者の中にも、この法律を作って欲しいという人もいるし。で、セクシー女優さんの中に、『この法律じゃもう、私たち食べていけません』っていう人もいるし。それは両者いるんだけれども。ちゃんとヒアリングをして、どうすることが全員の良いことなのかって‥」と訴えた。

また伊集院は以前にセクシー女優のゆーりまん(深田結梨)に聞いた話を「彼女は実は学生の頃からAVに出たいっていう夢があって、上京して絶対それを叶えるんだって言って、ご両親を説得して。特にお母さんを説得して、AV業界に入ってきた子で。夢があってやってきた子もいれば、もちろんお金と色んなバランスを考えて、これだったら私は職業にしますっていう人もいると思うんだけど」と望んだ職業としてやってきた人もいると話し、(このAV新法は)「『こういう人はいない』ということになっているっていうか‥『そういう職業じゃない』っていうことになっているっていうか‥それがどうも納得いかない」と語ったのだった。

同問題はネットでは話題になっているが、仮に国会などで取り上げくれる議員がいた場合は大変だと伊集院は考えているようで、「AV新法について見直すべきだって言うことに、勇気がいるのよ。なぜなら、AVなんてなくてもいい人、なくてもいいような人たちからすると、『なに、そんなにAVが見たいの?』っていう。『あの議員さんは、AV見たいらしいよ‥』っていうレッテルも貼られるし」と、価値観の違いが如実にでる問題だと説明。ただ、論議はすべきと考えているようで「下手したらこれのせいで、非合法な、もっとヤバイ同人地下AVみたいなものが、はびこっていくことになると俺は思うんですけど」と危惧したのだった。

なお伊集院は、この新法のおかげで多数のキャストを呼ぶことが必要な作品が撮影しにくくなったということを特に嘆いていた。

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