「海を眺める人」になる。全室オーシャンビュー【界 別府】大人の宿泊記

星野リゾートが手がける大分県別府市の温泉旅館「界 別府」。全室オーシャンビューの宿は数あれど、これほど海を眺めることだけに没頭したくなる宿は初めてでした。まるで自分が「海を眺める人」という絵画の一部になったような気分になる、「界 別府」の大人の過ごし方を現地からお届けします。

「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」

「界 別府」は、大分県の別府湾を望む、北浜公園の目の前にあります。別府といえばまずイメージするのは、やはり温泉。

「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」というキャッチフレーズもあるように、全国的に有名な別府温泉。海に近い別府温泉は塩泉で、重曹成分を含むため身体を芯から温め、肌を滑らかに整えてくれます。

しかし温泉もさることながら、今回紹介したい「界 別府」の推しポイントは、全室オーシャンビューの言葉を失う絶景なんです。

さあ、海に面したこの窓から、一体どんな景色が望めるのでしょうか?

ただただ「海を眺める人」になりたくなる宿

こちらです! 筆者らが宿泊したのは、最上階の11階に位置する、露天風呂付きの特別室。「界 別府」では、この眺めの感動をより深く感じられるようにと、鍵を渡され自ら部屋を開けるスタイル。

部屋に入った瞬間、「わあ!」と歓声をあげる人、言葉を失う人、肉眼で見る感動をカメラにうまくおさめられず嘆く人……みなこの窓からの絶景に心揺さぶられるのです。

右手に別府北浜ヨットハーバーと高崎山の麓が見えます。筆者らが宿泊したときはあいにく曇り空だったのですが、晴れていれば湾の向こうに工場地帯の風景も見えるそうです。

船や鳥が景色を横切ることも。思わず写真を撮りたくなりますが、実際にこの目で見た感動と同じものを、写真に映し取ることはなかなかできません。

最初は快晴でなかったことを残念に思っていたのですが、ずっと海を眺めていると、曇り空のぼんやりとした海の眺めもいいものだと思いました。だんだんと、自分と海とが溶けて一つになっていくような感覚になります。

途中から雨が降ってきたのですが、ぼんやりとした薄灰色の海を眺めながら仕事をするのは、想像以上に心地よくはかどりました。

翌朝窓の外に広がっていたのは、ほんのりピンク色に染まった朝焼け。

部屋に付いている露天風呂で朝風呂に身を沈めれば、すっかり身も心も浄化されていました。

ただただ、海を眺めながら過ごす。そんな温泉旅もいい、としみじみ思った「界 別府」の滞在でした。

家具も茶器もアメニティも。すべてが上質で快適

隈研吾氏デザインの客室

部屋での滞在が快適だったのは、隈研吾氏デザインによる客室やしつらいも大きいと感じました。柿渋色の落ち着いたインテリア、体にしっくり馴染む寝心地のいいベッド、センスが光る照明も部屋をやさしく照らしてくれます。

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