横須賀港の新埠頭、着工見通し立たず 整備の土砂不足判明、上地市長「見込みの甘さ痛感」

上地市長(資料写真)

 神奈川県横須賀市の上地克明市長は6日、臨時の記者会見を開き、市が進めてきた横須賀港での新埠頭(ふとう)整備計画について、埋め立てに必要な土砂が不足し、工事着工の見通しが立たなくなったことを明らかにした。市担当課が大型公共工事を行っている国や県、ゼネコンなどへの聞き取り調査を想定計画時に行っておらず、土砂確保の見込みが甘かったことが原因という。

 市によると埋め立てには約300万立方メートルの土砂が必要で、昨年の想定では横浜環状南線などの大型の公共工事現場から集めることができると見込んでいた。だが、本年度に入って関係各所に聞き取りを行ったところ、想定の3分の1に当たる約100万立方メートルの確保しか見込めないことが判明した。

 そのため、新埠頭の設計などの作業は進める一方、2025年度を予定していた着工は土砂が確保できるまで延期することを決めた。会見で上地市長は「見込みの甘さを痛感し、内心忸怩(じくじ)たる思い。市民の皆さんにおわびしたい」と陳謝した。

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