第35回「逃げるな」

text by ISHIYA(FORWARD / DEATH SIDE)

犯罪者以下の言い訳を垂れ流す自民党と統一教会に逃げ道などない

2022年8月24日に発売された『週刊文春』9月1日号で、岸田首相と統一教会との癒着関係が明るみになった。 統一教会の提唱する「日韓トンネル構想」の推進議会「熊本県民会議」の議長である崇城大学の中山学長という人物が、熊本県の岸田首相後援会会長だったというものだ。 首相までこれでは、自民党内に統一教会と関係のない議員など皆無なのだろうとしか思えない。まぁしかし、前首相の安倍を継承していればそんなもんだろうとは思うが。 二束三文の怪しげな壺を法外な値で信者に売りつける他にも、手を替え品を替え、信者を洗脳しては霊感商法で金を奪う反社会勢力と言っていい団体の統一教会が、政権政党である自民党に浸透しきっている、というとんでもない事実が次々と明るみになっている。いわゆる悪事を働くために隠していた証拠が「めくれた」というヤツだ。 どんな軽微な犯罪でも凶悪犯罪でも、会社だろうが裏社会だろうが、友人間や家族間であろうが全て等しく、悪事がめくれればそれなりの責任を取らざるを得ないのが人間という動物が形成する社会である。そこでしらばっくれる人間は、確実に黒であるということは誰もが知っている。 今現在、自民党の統一教会と関係があった人間たちのやっていることは、殺傷事件があって凶器のナイフが見つかり、指紋と被害者の血痕がついていて、本人が返り血を浴びながら、複数人の目撃者に「あの人がやりました」と言われ、防犯カメラにも映っていて、命を取り止めた被害者に「この人に刺されました」と言われているのに「俺はやっていない」と否認しているのと同じである。それは無理だ。 しかし一番の広告塔となり、祖父の代から最もズブズブの関係であった元首相の安倍本人が殺害され、悪事がめくれるという事実は「自業自得」以外の適切な言葉が見当たらない。 今後統一教会と癒着していた自民党が、どのような責任を取っていくのか? 国民は注視していかなければならない重大な問題だ。ここでこのまま何も無かったかのように、安倍の国葬が行なわれ、自民党の思い通りに国政が進めば、統一教会の教義がベタベタに反映された、自民党と公明党のための憲法改悪に動くはずだ。 統一教会のようなカルト団体の洗脳マニュアルが反映された憲法の国家になれば、山上容疑者のような「カルト洗脳の被害者」が、凶行に走る事件が多発してしまうかもしれない。 きっちりと責任を取らせることは、安倍殺害を解明し、今後二度とこのような事件が起きないようにするためにも必須事項である。 ここで今更、統一教会や自民党との関係の詳細は言わないが、どうしても不思議なことがいくつかある。 自民党と政権を担っている与党の公明党が、創価学会の政党というのは周知の事実だ。公明党の政治家は、一応宗教団体と言われる統一教会という団体が、自らの教義とは違う教えを掲げながら自民党とズブズブの関係だったことを知らなかったはずがない。 あえて「異教」と呼ばせてもらうが、なぜ異教とズブズブである自民党に対して何も言わないのであろうか? あり得ることではないが、本当に知らなかったとすれば、公明党や創価学会は、現時点でここまでめくれた統一教会と自民党の関係は間違いであると思わないのか? もう自民党とは決別し、糾弾する立場にあるのが公明党であると思うのだが、まさか創価学会も怪しげな二束三文の壺を売っているカルト宗教と同じく、怪しげな癒着で政治に宗教を持ち込み、悪事を働く宗教なのだろうか? 仏壇は売っているらしいが……。 まさか政教分離の憲法違反を犯している自らを顧みて、自民党と統一教会の癒着蜜月関係には目を瞑るのだろうか? 池田大作の教えというのはそんなものではないはずだ。知らんけど。 これまで自民党を擁護してきた自称愛国者たちも不思議だ。何でもかんでも韓国や朝鮮のせいにしてきた一定数のレイシストたちは、自らが擁護していた自民党が、自らが最も嫌う韓国の、それも思いっきり反日思想を掲げたカルト宗教の巣窟だと知っても、まだ自民党を擁護するのか? ここはお得意の愛国心とやらで、自民党を徹底的に糾弾するのではないのか? 「良い韓国人も悪い韓国人も殺せ!」といった、人とは思えぬめちゃくちゃなヘイトスピーチを行なう差別主義政党などは、今こそ自民党本部や統一教会に対してデモを敢行するべきではないのか? あなたたちの憎悪する韓国や朝鮮の、それも天皇を膝まづかせる教義を持つカルト宗教が牛耳っていたのを、見て見ぬ振りをするのだろうか? ネット上などに溢れている、いわゆる「ネトウヨ」たちもそうである。今こそ得意の別アカウントを大量に作り、統一教会と自民党を糾弾するときではないのか? あなたたちは皆、自民党に利用されて裏切られたんだぞ? それでもまだ擁護するというのであれば、それはもうカルト教団の信者でクソみたいな壺を何百万も出して買うのと何も変わらない。統一教会の洗脳方法と同じで、自民党に洗脳されるとそうなってしまうのだろうか? 甚だ不思議である。 もう自民党は政党というよりも、ただのカルト集団であると「めくれた」となると、信者の洗脳を解くのは容易ではないだろう。しかしそれをしなければ、この国はカルト国家になってしまう。第二次大戦時の日本も完全なカルト国家だったと言える。歴史は繰り返してしまうのだろうか……。 今まで信じてきたものが崩れ去ったときに、そう簡単に受け入れられない場合が多くあるのが、人間という動物であると思う。今まで行なってきた自分の行為を、なんとか正当化して「自分は間違っていない。自分は正しい」と思い込みたいのは、人間なら誰でもあることだ。 しかしここまで目の前に事実と証拠を突きつけられては、もう自らの過ちを認めざるを得ないだろう。それがなかなかわからないのが、洗脳の凄まじいところであり、話のできない人間、話を全く聞くことや受け入れることのできない人間を産み出すのだろう。統一教会と自民党の洗脳技術に早く気づいて欲しいものである。 まさかここまでめくれているのに、まだ逃げ道があるのと思っているのか? その逃げ道は、自分にとって本当に満足できる行き先を選んでいるのか? そのまま突っ走ることのできない先のない道だとわかっているんじゃないのか? お前が一緒に走っているのは、生命を顧みずに利用し、取れるものは全て奪ってから捨て去る自民党や統一教会などのカルトであり、カルトのやり方は全く同じだ。 お前の持っている金や票のために、騙されて利用されて刷り込まれて選ばされた搾取の構造がめくれた今こそ、見つめ直すチャンスだと肝に命じてくれ。 この後に及んで、子ども以下、犯罪者以下の言い訳を平然と垂れ流す自民党と統一教会に、もう逃げ道などない。

外道『逃げるな』

ねぇ あなたがた 腐ったはらわた しまい込み

しばしの間 狂った悪魔と手をにぎり

ふるえて叫びながら うごめききな

絶望へ 堕っこってゆけ

ねぇ あなたがた 奈落の底の狂いこみ

ゲロにまみれて うごめきな

脳みそ ブッ裂きながら のたうちまわれ

逃げるんじゃねぇ 逃げるんじゃねぇ

逃げるんじゃねぇ 逃げるんじゃねぇ

逃げるんじゃねぇ 逃げるんじゃねぇ

逃げるんじゃねぇ 逃げるんじゃねぇ

逃げるんじゃねぇ 逃げるんじゃねぇ

◉外道はボーカル&ギターの加納秀人を中心メンバーとして1973年にデビュー。1976年に解散したが、その後メンバーの脱退や復活などを繰り返して現在も活動中。ステージ衣装に着物、ステージに鳥居、万歳三唱、三三七拍子などのパフォーマンスが受け、暴走族に絶大な支持を得た。「逃げるな」は1974年発表の2ndシングル「ビュン・ビュン」のカップリング曲。

【ISHIYA プロフィール】ジャパニーズ・ハードコアパンク・バンド、DEATH SIDE / FORWARDのボーカリスト。35年以上のバンド活動歴と、10代から社会をドロップアウトした視点での執筆を行なうフリーライター。

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