Dステーション・レーシング初の母国戦へ挑むチャーリー・ファグ「とても重要なレースになる」

 9月9〜11日、静岡県の富士スピードウェイでWEC世界耐久選手権第5戦『富士6時間』が開催される。新型コロナウイルス感染拡大以降2020年、2021年と開催できなかったレースだが、2021年からWECのLM-GTEアマクラスに挑戦を開始したDステーション・レーシングにとっては、初のホームレースだ。そんなチームの一員として星野敏/藤井誠暢のふたりとともに777号車アストンマーティン・バンテージAMR GTEをドライブするチャーリー・ファグが、ひと足早く来日した。

 ファグは1999年生まれのイギリス人ドライバー。2014年からジネッタ・ジュニア選手権を戦い、イギリスGTなどさまざまなシリーズでGT4をドライブ。2022年からアストンマーティンのドライバーとしてWECに参戦するDステーション・レーシングの一員に起用された。

 そんなファグだが、WEC第5戦富士を前にひと足早く来日し、9月3〜4日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されたスーパー耐久第5戦もてぎに訪れた。早めの来日は時差ボケ対策で、他の多くのドライバーも早めに日本に訪れているという。

 ファグはチームメイトの星野と藤井が戦うスーパー耐久を初訪問したが、もてぎでファグにWEC第5戦富士への意気込みを聞いた。

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──日本は初めての訪問ですよね?チャーリー・ファグ(以下CF):すごく楽しんでいるよ。もちろんイギリスとはまったく違う文化だし、いろいろなことを体験させてもらっている。

──もちろんモビリティリゾートもてぎも初めてとなりますね。CF:そうだね。これも新しい経験で楽しんでいる。

──スーパー耐久というレースを初めて観た感想を教えて下さい。CF:とてもクールなチャンピオンシップだね。すごくたくさんの、異なる特徴をもつクルマが走っている。こういうさまざまなクラスがあるシリーズはイギリスにもあるので、初めて観られて嬉しいよ。雰囲気が素晴らしいね。

──今季からDステーション・レーシングのドライバーとしてWECを戦っていますが、今季の印象を教えて下さい。CF:まずはWECで戦うという夢を叶えてくれた星野サン、藤井サンのふたりに大きな感謝を示したいんだ。毎戦チーム、クルマのパフォーマンスはどんどん良くなっているんだけど、なかなか結果を残すことができていない。だから今週末の富士スピードウェイで良い結果を残したいと思っているよ。

──富士スピードウェイを走るのも初めてになると思いますが、どんな事前の印象がありますか?CF:もちろんすごく長いストレートがあるということだけど、テクニカルなコーナーも多くある。とてもワイドで、トラフィックの処理が重要になるコースだと思う。

──今季開幕戦のセブリングで、小林可夢偉選手と写真を撮っていたことがSNSに載っていました。ファグ選手にとってどんな存在なのでしょうか。CF:2013年、WECを初めて観戦しに行ったんだ。当時、可夢偉選手はF1からWECに移ったばかりだった(2013年はAFコルセからWECに参戦)。当時も彼はすごく偉大な存在だったんだけど、そんな彼と9年後、まさか同じシリーズに参戦できるなんて夢にも思わなかったんだ。すごく貴重な体験だったから、一緒に写真を撮ってもらったんだ。

──今週末、日本のチームの一員としてチームのホームレースを戦います。ファンに何かメッセージをお願いします。CF:まず、この素晴らしい国でみんなが温かく歓迎してくれたことについて、ありがとうと伝えたい。もちろん週末はDステーション・レーシングにとって、初めての母国でのレースになるので、重要なレースになることは分かっているよ。日本のファン、そしてDステーションの皆さんの前でパフォーマンスを出し切り、良い結果を残せるように頑張りたいね。

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 ファグは非常にジェントルで、日本人のふたりとコミュニケーションをとるべく日本語も勉強しているという。今季、トラブルでなかなかDステーション・レーシングは結果が残せていないが、ホームコースで好結果を残すべく、星野、藤井、そしてファグが9月9日からの第5戦富士に挑む。

スーパー耐久第5戦もてぎのグリッドでHELM MOTORSPORTS GTR GT3の鳥羽豊と言葉をかわすチャーリー・ファグ
モビリティリゾートもてぎを訪れたチャーリー・ファグ
Dステーション・レーシングのアストンマーティン・バンテージAMR

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