香港でテスト販売好調 海外で販路拡大へ 宇都宮の日光ゆば製造

香港でテスト販売をした「たぐりゆば」(左)と「ゆばと野菜のふんわり豆腐」

 ゆば製造販売の「日光ゆば製造」(栃木県宇都宮市下荒針町、新妻健一(にいづまけんいち)社長)は海外で販路開拓に乗り出す。昨年12月〜今年1月、日本貿易振興機構(ジェトロ)や農林水産省、民間企業などが香港で実施した「テスト販売事業」に出品したところ、鍋の具材などとして好評だったという。新型コロナウイルスの感染状況を見極めながら、まずは香港で営業活動を展開していきたい考えだ。

 現在、同社の売り上げの7割はホテルや旅館などが占める。商社を通して全国に販売しているが、コロナの影響で売り上げは深刻な打撃を受けた。

 海外での販売実績はこれまでもあったが、商社を介した個別販売に限られていた。

 新たな海外市場の開拓や、一般ユーザー向けのBtoCビジネスの強化に向けて昨夏、ジェトロなどによる輸出促進事業に応募。ニューヨークやパリなど複数の海外都市でのテスト販売を通して、ヒット商品を発掘するための事業で、同社は健康志向の高まりを見せる香港でのテスト販売事業者として、本県から唯一選ばれた。

 現地では、鍋料理の具材の一つとして「たぐりゆば(小)」と「ゆばと野菜のふんわり豆腐」の2商品を出品。他社のちくわやホタテなどと一緒に食べ方を提案した。スーパーで約10日間、電子商取引(EC)サイトでは約1カ月間販売したところ、冷凍保存が可能で火鍋スープとの相性も良い点などが支持され、用意した30万円分の商品はほぼ売り切れたという。

 同社は現地のスーパーなどと関係を構築し、販路を広げていきたい考え。

 新妻克隆(にいづまよしたか)専務は「現地では商品の『食べ方』も一緒に提案しながら、自社の商品を売り込んでいきたい」と話している。

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