キヤノン、「CR-N700」発表。4K60P対応の最上位リモートカメラ登場

キヤノンは、リモートカメラの新製品「CR-N700」を2022年12月に発売する。価格はオープン、市場想定価格は税込121万円。既発のCR-N500やCR-N300は併売していくという。

1.0型CMOSイメージセンサー搭載で4K60P 4:2:2 10bit対応

CR-N700は4K60P対応の屋外リモートカメラで、CR-Nシリーズの最上位機種。大規模なスポーツイベントや大手テレビ局、巨大なステージから地方局辺の映像制作も支えていく製品と位置づけている。

アドバンスドズーム対応や12G-SDI端子を一つ追加して、4K60P出力を特徴とする

4K60P 4:2:2 10bit対応で、1.0型CMOSイメージセンサーや映像処理プラットフォームは最新の「DIGIC DV 7」を搭載。これにより、デュアルピクセルCMOS AFでお馴染みのオートフォーカス方式に対応し、撮影画面内の広いエリアで高精度のフォーカスを実現可能としている。

AFを支える機能として、瞳AFと頭部検出を搭載。CR-N500には搭載されていない機能で、キヤノンのパンチルトズームカメラでは初搭載としている。

高倍率ズームも特徴で、4K対応で光学15倍、フルHD撮影時は4Kが持つ多画素イメージセンサーを活用した最大約30倍のアドバンストズームに対応。広角端は25.5mmと、1台で様々な場面に使用できるモデルとしている。

映像出力フォーマットは、CR-N500ではIP、3G-SDI、HDMI対応に対して、CR-N700は12G-SDIが一つ増えている。3G SDIからは2Kを出力し、他のHDMIと12G-SDI、IPの方からは4K60Pの出力が可能。様々な映像出力フォーマットを備えている。

HDR方式は、HLG(ハイブリッドログガンマ)とPQの2つに対応。Canon Log 3も対応し、本格的な制作にも対応するハイエンドなリモートカメラとしての機能を搭載している。

同期PTZ機能や複数画角配信に対応

CR-N700は、スムーズで応答性の高いパン/チルト/ズームのパフォーマンスに対応。CR-N500の特徴である同時パン/チルト/ズーム動作をCR-N700でも引き継いでいる。Aの現在地からBの目標位置に動く際に同時にスタート・ストップに対応するキヤノンリモートカメラが特徴とするスムーズな操作性を実現している。

また、CR-N700の新機能として、クロップ機能による複数画角配信を搭載している。1台のカメラで複数画角を配信できるクロップ機能で、撮影した映像全体の出力と同時に、一部分をクロッピングして映像制作を可能としている。最大2箇所までHD画角の設定が可能で、クロップした映像をズーミングもできる。現場の省力化やカメラマンの人数の削減など、そういった部分でもサポートができるカメラとなっている。

対応プロトコルはCR-N500対応のXCプロトコル、NDIプロトコル、RTSP、PTMPのプロトコルに加えて、先日CR-N500やCR-N300のファームアップで対応したSRTプロトコル、free-dプロトコルにも対応する。キヤノン独自の映像制作向けのXCプロトコルにも対応しており、キヤノン機器間での柔軟なシステム構築が可能としている。

NDIプロトコル対応で、サードパーティー製のスイッチャーやツール、アプリなどの要望に応じたシステム構築を可能としている。SRTプロトコルは拠点をまたいだ映像伝送の市場から高い評価を受けている。

また、VR、ARの映像制作に対応するFreeDプロトコルに対応。トラッキング情報の伝達などできるプロトコルで、様々な映像制作の場面に対応としている。

制作ニーズに合わせたマルチ出力が可能

SDI出力は、2系統搭載。12G-SDIと3G-SDIを1つずつ搭載しており、本線用とモニタリング用で使用可能。先に紹介したクロップ配信に使用可能で、マルチ出力が可能としている。

汎用性の高いDC12V入力4ピンXLRコネクターの採用やPoE++に対応。CR-N500と同じように、ケーブル1本で給電制御、配信を可能にしている。操作はリモートカメラコントローラーの「RC-IP100」やリモートカメラコントロールアプリに対応。ボディカラーは黒と白で、白は受注生産での対応としている

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