キヤノン、「XA」シリーズ新製品発売。UVC対応や液晶モニター、EVFの性能向上[IBC2022]

キヤノンは、業務用ビデオカメラ「XA60」「XA75」「XA70」の3機種を発売する。希望小売価格はオープン、発売日とキヤノン公式オンラインショップでの販売予定価格は以下の通り。

  • XA75:2022年11月中旬発売/税込341,000円
  • XA70:2022年11月中旬発売/税込282,700円
  • XA60:2022年9月下旬発売/税込217,800円

基本性能はXA40、XA55系譜を踏襲

キヤノンの業務用ビデオカメラは「XF605」「XA40」「XA55」の3機種ラインナップしていたが、XA40は「XA60」、XA55は「XA70」にリニューアルし、XA70にSDIを加えた「XA75」にラインナップを拡充した。

ターゲットユーザーは、UVC(USB Video Class)機能の搭載によりネット配信やリモート配信、番組制作や取材としている。XF605とXA75、XA70、XA60の4ラインナップで、ハイエンドからネット配信、リモート会議の層までをターゲットユーザーとしている。

3機種共通のポイントは4K UHDの30P対応で、オーバーサンプリングによる高画質なフルHDを実現可能。ズームやフォーカス切り替え可能なレンズリングを一つ搭載し、5軸防振機能を搭載。カスタムピクチャーでの画質調整が可能。プログレッシブ記録時にフルHD 60i出力に対応し、SDカードへのリレー記録やダブル記録を可能にしている。

さらに一部機能が追加され、基本性能が向上している。LCDモニターとEVFは画質が向上し、USB Type-Cからの給電に対応。動画配信ニーズに応える新機能して、USB Video Classに対応。また、監視用途などで有用な拡張機能としている。デジタルズームはXA70、XA75で600倍、XA60が800倍に対応している。

液晶モニターに関しては、従来機種より1回り大きくなり、タッチパネル対応3.5型の276万ドットLCDを搭載。輝度を4段階から選択でき、明るい屋外でもしっかり視認できるのがポイントだ。

EVFも画質が向上している。従来機の0.24型の約156万ドットからサイズが1回り大きくなり、0.36型約177万ドットに向上している。

また、表示文字記録を搭載し、オンスクリーンディスプレイにさまざまな情報が重畳した状態で映像収録を可能にしている。業務用ビデオカメラを監視用途に使われる場合があることから、こうした機能が追加されたという。

USBカメラとPCの接続規格であるUVC(USB Video Class)の仕様を搭載し、対応するUSBデバイスと接続を可能としている。Web会議やイーコマース、ライブコマースの需要にも応える製品として、特別なソフトを導入なく利用可能としている。

キヤノン業務用ビデオの普及モデル「XA60」

XA60は、一般企業でのストリーミング需要に応える機能を搭載し、USB、UVCなどキヤノンの業務用ビデオ普及モデルとしている。YouTubeの動画配信など、初めてビデオカメラを用いた配信を行う用途に最適なモデルとしている。

XA40から引き継いだ機能として、4K UHD映像だけでなく、オーバーサンプリング処理による高画質なフルHDの生成を可能としている。ズームレンズは光学20倍で、4KとフルHDで若干のクロップにより画角が変わるが、600mmまで光学ズーミング可能。1台でオールマイティな用途に使用できるカメラとしている。

新しいポイントしては、DC端子にUSB Type-Cを採用。丸形DC IN端子を廃止し、USB Type-C端子にリニューアルする。専用アダプターPD-E1が同梱されている。

XA40やXA55から変わった大きなポイントとして、ハンドルユニットを同梱する。ハンドルユニットは単体でアクセサリーとして設定しておらず、同梱での発売のみのパーツとなる。

1.0型センター搭載の高い描写性能「XA75」「XA70」

XA75、XA70は、XA60に対して1回り大きい1.0型イメージセンサーの搭載で、放送局の取材撮影からプロダクションでの映像制作、配信用途まで画質にこだわるユーザーに提案したいモデルとしている。

こちらも4K、UHD 30P対応で、キヤノン4Kビデオシステムは、レンズ、イメージセンサー、エンジン、デュアルピクセルCMOS AFに対応したハイエンドモデルだという。1.0型CMOSイメージセンサーを搭載しており、高感度でノイズリダクションを搭載。背景のボケ味を生かした演出も可能としている。

超広角や高倍率のズーミングを特徴とし、広角25.5mmより撮影が可能なカメラとしている。室内での撮影など、狭いスペースでの撮影ニーズにも十分応えうる広角撮影が可能。

カスタムピクチャーファイルは、制作環境に合わせて撮影条件に合わせて好みの設定が可能。「BT.709 Wide DR」「Canon Log 3」「EOS Standard」などに対応している。

デュアルピクセルCMOS AFに対応し、タッチAFや顔検出AFを搭載する。顔優先ではタッチ操作に対応し、AF枠内の高速、高精度AFを可能としている。顔検出が外れた場合はピントが途中で固定され、再度顔検出した場合にフォーカスを再開する設定も可能としている。

好評のデュアルピクセルフォーカスガイドにも対応し、前ピンや後ピンどちらにずれているかが合掌マークで判断できるガイド機能を搭載している。NDフィルターは独立3濃度NDを内蔵。本体の側面にあるボタンで直感的に操作を可能にしている。

XA75、XA70も同じようにDCの端子はUSB Type-Cを搭載。専用のアダプターPD-E1を同梱しており、こちらも給電と充電が可能。XA75、70におきましても、ハンドルユニットは同梱となる。

用途で選べる3ラインナップ

XA75、70はイメージセンサーに1.0型を搭載し、デュアルピクセルCMOS AFや独立3濃度NDフィルターを搭載。XA75はSDI端子を有しているのを特徴とする。XA60は20万円を下回る実勢価格で、光学倍率20倍ズームレンズを特徴としている。用途によって選べる3ラインナップを特徴としている。

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