カージナルスの名バッテリーが通算324試合のメジャータイ記録へ

日本時間9月9日、ブッシュ・スタジアムで行われるナショナルズ戦にアダム・ウェインライト(カージナルス)が先発する。41歳のウェインライトと40歳のヤディアー・モリーナにとって、2007年に初めて先発バッテリーを組んで以来、通算324試合目の先発バッテリーとなる。これは1963~75年にタイガースでバッテリーを組んだミッキー・ロリッチとビル・フリーハンに並ぶメジャータイ記録。すでに数々の記録を作ってきた名バッテリーがいよいよ名実ともに「メジャー史上最高のバッテリー」となる。

ウェインライトとモリーナは単なるバッテリーではなく、兄弟や夫婦のような強い絆で結ばれている。ウェインライトはモリーナとの関係性について「ピッチャーとキャッチャー、野球だけ、フィールド上だけの関係から始まったけれど、19年経ってプエルトリコの彼の家で一緒に感謝祭のパーティーをするし、僕たちの子供たちも一緒に遊び、一緒に育ってきたんだ。かけがえのないものだよ」と語る。「ヤディと僕は子供のようなところからスタートし、一緒に成長してきた。チームメイトは次々に入れ替わっていったけれど、僕たちはずっと一緒だった。一緒に勝ち、一緒に負け、一緒に泣いたこともある。そうした経験を重ねていけば、必ず仲良くなれるのさ」と付け加えた。

ウェインライトとモリーナが先発バッテリーを組んだ試合でカージナルスは212勝を記録。これはすでにメジャー新記録となっている。長年のチームメイトであるアルバート・プホルスは「彼らはお互いが考えていることがわかるから、サインを出す必要さえないんだ。僕たちが今、目撃していることは、おそらく二度と起こらないだろう。これだけ長く一緒にいるのは大変なことだからね。彼らは本当にすごいよ」と称賛を惜しまない。

捕手としてのスタメン出場試合数がメジャー史上2位となったモリーナは、ウェインライトが先発した試合で通算333安打を記録。もちろん、これは捕手が特定の投手の先発登板試合で記録した最多安打数である。そのモリーナはウェインライトについて「ウェイノはチームメイトであるだけでなく、僕にとっては兄弟みたいな存在なんだ。彼と一緒に記録を達成できるのは素晴らしいことだよ」と語っている。今季のウェインライトはモリーナとバッテリーを組んだときが8勝5敗、防御率2.91であるのに対し、モリーナ以外の捕手とバッテリーを組んだときは2勝4敗、防御率3.93と成績が悪化。通算でも3.22と4.08という大差がついており、この数字からもウェインライトにとってモリーナがいかに大きな存在であるかがうかがえる。

ウェインライトは来季以降の去就を明言していないものの、モリーナは今季限りでの現役引退を表明しており、カージナルスが誇る名バッテリーの雄姿を観られるのは間違いなく今季が最後。プホルスが「二度と起こらない」と話しているように、まもなくメジャーリーグに新たなアンブレイカブル・レコード(不滅の大記録)が誕生する。

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