無症状感染者の買い出し容認 状況に合わせ弾力的運用を 長崎大学大学院森内浩幸教授

政府は7日、新型コロナの感染者が無症状であった場合、買い物など短時間の外出であれば認めることを初めて決めました。段階的な緩和を好意的に受け止める声がある一方、専門家は感染状況に合わせた弾力的な運用が必要と指摘しています。

厚生労働省は7日に感染症の専門家会合を開き、新型コロナの軽症者について自宅療養の期間を短縮し、症状のない感染者に限っては買い物など短時間の外出を認めることにしました。

外出の際には不織布マスクを着用し、公共機関は利用しないよう求めています。

外出制限の緩和について、街の人はどう受け止めたのでしょうか。

「公共の場所でマスクとかちゃんとしていただけるのであれば、そんなにかかることもないのかなと自分は思っているので、そんなに不安はないかなと」

「買い物とか必要ですからね、例えば一人暮らしだと本人が行かないとね、どうしようもないものですから私は良いと思います」

一方で感染リスクが高まると心配する声も。

「どうでしょうね、検証できていないからね、分からないですよね正直言ってね」

「それはちょっとこっちとしては怖いですよね。コロナになっていない人からすると怖いです」

感染症学が専門で長崎大学大学院の森内浩幸教授は、今回の判断を次のように受け止めています。

森内浩幸教授「自分が感染しているということが分かっていて、それで対策をきちんとした上でごく短時間、どうしても生活の上で必要なものを買いに行く、お薬が足りないから買いに行く、もしくは受診するときに外出をすることを妨げる理由はないと思います」

ただ、新たな変異株が出てきた時には、再び厳格な隔離が必要になると指摘します。

森内浩幸教授「そのままずっとずるずると隔離期間を短くした状態のために、新たに入って来た変異株を封じ込めることができずに、一気に次の第8波に向かうということは今度は避けないといけない。アメリカでは感染状況に応じた隔離措置の基本的な考え方が決まっています」

森内教授は日本でもその都度、対応を考えるのではなく前もって決めておく必要があると話します。

森内浩幸教授「今の段階で緩めることは少なくとも妥当ではありますけれども、それはもっと事前に決めてもっと早くするべきことであり、あるフェーズに落ち着いたところでまた前のような対応策に戻すべきだと思いますので、その意味では遅すぎたし、これがそのまま続くということであれば、妥当性を欠くだろうと私は思っています」

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