全国高校サッカー選手権県予選前企画(1) 大分鶴崎 ワンランク上のチームを目指す

3年生にとって最後の大会となる「第101回全国高校サッカー選手権」の県予選トーナメントが、来月8日に開幕する。今年の県内の高校サッカーシーンの総決算となる大一番は見逃せない。ここではシード4校とともに、前大会覇者や注目校を紹介する。

大分鶴崎のサッカースタイル

守備重視 ○○○●○ 攻撃重視

サイド攻撃 ○●○○○ 中央突破

リトリート ○○○●○ プレッシング

カウンター ○○○○● ポゼッション

※リトリート・・・相手にボールを奪われたらすぐに自陣に戻り、守備ブロックを形成して守る戦術

今夏の全国高校総体に出場し、全国の強豪校との差を痛感した大分鶴崎は、ワンランク上のチームを目指すために再出発を図った。全国高校総体1回戦で、準優勝した帝京(東京)に2−7と大敗した3日後には、九州の強豪校との試合を組み、強化合宿として各地を回った。首藤謙二監督は「無理を強いて試合をこなしたが、目標が明確になった」と振り返る。

約1カ月の武者修行は選手の意識を変えた。キャプテンの遠山隼都(3年)は「格上相手には技術の差をカバーするために、走力で上回って2対1になるような数的有理をつくらなければいけない」と話し、攻守の要となる増田真聡(同)は「夏休みを終えて、一人一人の練習に対する意識が変わった」と、全国大会に出場するためではなく全国で勝つための練習になったと感じている。

全国レベルを体感して意識が高くなった

県予選の組み合わせは第1シードとなった。遠山は「自分たちのサッカーに自信を持って、貫けるか。トーナメントは何が起きるか分からないが気を抜かず、謙虚に一戦一戦を戦うだけ」と浮かれた様子はなく、チーム内には高いレベルの競争意識が芽生えている。

全国高校総体で主力として出場した3年生が7人残った。進学校の大分鶴崎では異例の人数で、12年ぶりの全国高校選手権出場に向けた本気の表れだ。「1年生の頃から自分たちで『鶴高』の歴史を作ろうと言っていた。3年間の集大成を結果で残したい」という遠山の言葉が、3年生全員の思いだ。

パスサッカーに強度の高いプレスと「3年力」を加え、破壊力に守備の安定感が増した鶴高スタイルが完成形に近づきつつある。

3年生が軸になり全国高校選手権を目指す

(柚野真也)

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