死の恐怖におびえた女性、“がん”と闘った日々「しっかり生き抜いて」 大事な人のために、がん検診を

乳がんの実情を解説する栗原和江さん(左)と子宮頸がんの経験談を語る羽賀登喜子さん=5日、小鹿野町の小鹿野文化センター

 がん情報を分かりやすく解説する講演会「乳がん・子宮頸(けい)がんから生命(いのち)を守る」(小鹿野町保健課主催、明治安田生命保険相互会社協力)が5日、埼玉県小鹿野町の小鹿野文化センターで開催された。NPO法人くまがやピンクリボンの会代表の栗原和江さんと、同運営委員の羽賀登喜子さんが登壇。自身のがん体験で学んだことや検診の重要性を参加者約50人に伝えた。

 栗原さんは2007年に乳がんを発症。乳がんの実情と早期発見の大切さを広めようと、翌年に同会を立ち上げ、各地で啓発活動を続けている。講演会で栗原さんは、携帯用乳がん触診モデル「IPU」(イプ)を用いて、しこりの硬さや大きさを解説。「乳がんは唯一、自分で見つけられるがん。早く見つけて、早く治すを心がけてほしい」と強調した。

 08年に子宮頸がんを患った羽賀さんは、死の恐怖におびえた当時の心境を打ち明け、「誰でも子宮頸がんを発症する危険性がある」と強調。女性は、20歳からは2年に1度、30歳からは毎年、検診を受けることの重要性を説き、「自分や家族、友達のために、皆さんもしっかり生き抜いてほしい」と語った。

 講演会に参加した、同町の栗原ヒサ子さん(71)は「孫にHPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種を勧めたいが、副反応が気になっていた。がん経験者の話が直接聞けて、参考になった」と話していた。

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