企画の出発点、それは、パクりである。

福岡でいちばん企画書を書いてきたプランナー・中村修治さんが気になるクリエイティブや企画、商品などについてのマーケッター的な分析を"ネタ"あかししてくれます。ものの見方や考え方のヒントになること間違いなし!

パクれ!!思考方法を、パクれ!!

ワタシは、間違いなくパクリエーターのひとりである。スタッフのみんながアイデアが浮かびませんでしたと会議で言い訳をしたなら『パクって来い』と奮起を促す。

しかし、まるまるパクって平気な顔をしていたら『もうちょっとヒネってこいよ』と注意を促してきた。

コトバなんて、先人の受け売りである!!

コトバなんて、きっと誰かの受け売りである。あいうえお・・・の組み合わせ。どんな美文も、どんな名言も、そんなもんどこかで誰かが言ったことであるのには、違いない。その出処が誰か?とか、何処か?とか、の議論はすごくツマラナイことである。あの世の偉人たちは、そんなことどうでもいいと、思っているに違いない。

創造性があるかどうか!?クリエーターであるかどうか!?それは、その作品に触れた読者や視聴者が決めることである。そこで、何かが「伝わる」ということは、クリエーターの受け売り具合が素晴らしいということである。良い読み手は、そういうことがわかっている人たちのことである。

先人たちの想いや行為のコピペ具合いや解釈具合いが、「伝わっている」のである。その具合いが、絡み合って、束となって、後世へと「伝わっていく」のである。コピペされたものだけが歴史に遺るのである。

“自分ならこうするね!?”がオリジナル!!

人はどうやってオリジナルを知るのか!?その出発点はパクリだ。文章だったら、そのまんまパソコンに打ち込んでみる。いくらなんでもこのまんま提出するわけにはいかないよなぁ!?という後ろめたさが生じる。その後ろめたさや違和感こそが、オリジナルの出発点なのだよ。

後ろめたいな!?
自分ならこうするね!?

先人の作品や知恵は、パクって良いのである。参考にして良いのである。ただ、まんまパクってお金を貰ってしまうのは、やっぱり違う。それは、アカン方のやつである。

パクっても良いのは、あくまで、その思考方法である。そのアイデア、そのデザインを作成するに至った思考を借用したときに“自分ならこうするね!?”の答えを用意することである。『パクるなら思考方法をパクれ』。それが、ほぼクリエーターの意地である。

パクって!!また、捨て続けて!!

アイデア自体に価値なんてない。ましてや企画書なんてそれ以下であるのは当然である。誰でもアイデアは思いつくのである。肝心なのは、そのアイデアが生まれてきた経験や知恵である。実行に移せる人脈やノウハウや、その背景の方にある。

アイデアや企画書をパクられるのを恐れるのは、馬鹿な話である。そもそも、そんなに簡単にパクられるアイデア≒背景なら、それまでのものである。画期的なアイデアは、その人の背景まで含めて生まれてくるものなので、そう簡単にはパクれないし、パクったとして最後は違うカタチになってしまうということである。

だからアイデアや企画書なんて、全部捨ててしまえばいいのである。捨てるに忍びないアイデアなんて後生大事にとっておかずに、今すぐみんなに公開すればいいのである。

自分の経験や人脈や知恵は、日々、上書き保存されている。昨日のアイデアは昨日のものであって、今日のそれとは質的に違うものになっているはずなのである。企画やプランニングを仕事にしたいと思うなら、捨てるに忍びない気持ちを捨てることである。

昨日までの自分をキレイさっぱり捨てるクセをつけることである。

パクって!!
また、捨て続けて!!
もう、還暦だよ。泣

さぁ、
持ってけドロボー!!笑

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