楽天カード、年間55万円以上利用ならプレミアムカードに軍配! ゴールドとプレミアムの壁をFPが解説

楽天カードは、楽天市場をはじめとする楽天関連のサービスがお得に使えるクレジットカードです。楽天カードには、上位のカードとして楽天ゴールドカードや楽天プレミアムカードもあります。気になるのは、楽天ゴールドカードや楽天プレミアムカードを選んだ方がお得な人は、どんな人なのか。

今回は、年間の利用額やポイントの還元率、付帯サービスの面から、楽天カードとの「境目」を一緒に考えていきましょう。


楽天カード・楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカードのスペックを比較

楽天カードは、楽天グループが発行しているクレジットカードです。楽天カードのカード発行枚数は2,600万枚超、国内のショッピング取扱高シェアが22.4%で国内NO.1とのこと。多くの人が利用しているクレジットカードです。

楽天グループは、ネットショッピングの楽天市場をはじめ、楽天証券、楽天銀行、楽天モバイルなど、さまざまなサービスを展開しています。これら楽天グループのサービスを利用し、所定の条件を達成すると、SPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象になります。SPUでは、楽天市場での買い物でもらえる楽天ポイントを最大14倍(2022年8月18日時点)まで増やすことが可能です。楽天市場で楽天カードを利用した場合も、このSPUの対象になります。

楽天カード・楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカードの主なスペックは、以下の表のとおりです。

楽天カードの主なスペック比較

楽天カードは年会費が永年無料となっています。それに対し、楽天ゴールドカードは2,200円(税込)、楽天プレミアムカードは11,000円(税込)の年会費がかかります。

楽天カードと楽天ゴールドカードの還元率は同じ…

楽天カード・楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカードの境目を考える際にもっとも気になるのは、楽天ポイントの還元率です。

実は、上の表にも記載していますが、楽天カードと楽天ゴールドカードの楽天ポイントの還元率は、基本的に同じです。

街の店舗などで利用した場合(通常購入分)は、100円(税抜)につき1ポイントの楽天ポイントがもらえます。つまり、還元率は1%です。

これに加えて、楽天カードと楽天ゴールドカードを楽天市場で利用した場合には、以下の楽天ポイントがもらえます。

・通常購入分:100円(税抜)で1ポイント
・楽天カード利用通常ポイント:+1倍(通常ポイント・上限なし)
・楽天カード利用特典ポイント:+1倍(期間限定ポイント・月間獲得上限5,000ポイント)

「+1倍」とあるのは、通常購入分に+1倍されるという意味。つまりこの場合、100円で3ポイントの楽天ポイントがもらえるわけです。還元率でいうと、3%です。なお、3ポイントのうち1ポイントはポイントの有効期限がある「期間限定ポイント」になる点も押さえておきましょう。

年会費を2,200円払って楽天ゴールドカードを手に入れても、楽天ポイントの還元率の面では楽天カードを上回るメリットがありません。

楽天ゴールドカードでは、誕生月に楽天市場・楽天ブックスを利用するとさらに楽天ポイントが+1倍になります。したがって厳密には「誕生月に楽天市場・楽天ブックスで22万円以上の買い物をする」ならば楽天ゴールドカードのほうがお得になる(楽天カード利用時よりも楽天ポイントが2,200ポイント以上もらえるため、年会費の元がとれる)のですが、あまり現実的ではないように感じます。

違いとしては、楽天ゴールドカードは、楽天カードと違ってETCカードを無料で作ることができる点と、国内の空港ラウンジが年2回まで無料で利用できる特典もついている点です。

結論から言って、ゴールドカードの付帯サービスを考慮しても、通常カードとゴールドカードにほとんど差がないので、通常カードを選んだ方が良いと考えます。

楽天市場を年間55万円以上使うなら「楽天プレミアムカード」がお得に

一方、楽天プレミアムカードを楽天市場で利用した場合は、以下の楽天ポイントがもらえます。

・通常購入分:100円(税抜)で1ポイント
・楽天カード利用通常ポイント:+1倍(通常ポイント・上限なし)
・楽天カード利用特典ポイント:+1倍(期間限定ポイント・月間獲得上限5,000ポイント)
・楽天プレミアムカード特典分:+2倍(期間限定ポイント・月間獲得上限10,000ポイント)

楽天カード利用特典ポイントに追加して、楽天プレミアムカード特典分のポイントが+2倍されるので、100円で5ポイントの楽天ポイントがもらえるようになります。楽天プレミアムカードの年会費は11,000円ですが、楽天ポイントの還元率は楽天カードの3%から5%にアップします。

このとき、楽天ポイントで年会費の元が取れる「損益分岐点」は、55万円です。
・楽天カード:55万円×3%=16,500ポイント
・楽天プレミアムカード:(55万円×5%)−11,000円=16,500ポイント

つまり、楽天市場を年間55万円以上使うならば、楽天プレミアムカードを選んだ方がいいというわけです。月額換算するとおよそ4.6万円です。

さらに、楽天プレミアムカードには「選べるサービス」があります。選べるサービスは、所定の買い物のポイントが+1倍になるサービス。次の3つのコースから1つ選べます。

・楽天市場コース:毎週火曜・木曜「プレミアムカードデー」の楽天市場の買い物で+1倍
・トラベルコース:楽天トラベルのオンラインカード決済で+1倍
・エンタメコース:Rakuten TVまたは楽天ブックスの楽天プレミアムカード利用で+1倍

つまり、毎週火曜・木曜限定ながら、楽天市場コースを選べば、楽天市場利用時の楽天ポイントの還元率は6%にできるのです。

還元率6%の場合の「損益分岐点」は、およそ37万円(厳密には、36万6700円)です。

・楽天カード:36万6700円×3%=11,001ポイント
・楽天プレミアムカード:(36万6700円×6%)−11,000円=11,002ポイント

この場合は、楽天市場を年間37万円、月額3.1万円ほど利用するならば、楽天プレミアムカードのほうがお得になります。

楽天プレミアムカードは、旅行保険がほぼ自動付帯になるほか、国内・海外の空港ラウンジが無料で利用できるなど、付帯サービスも充実しています。楽天ゴールドカード同様、誕生月の+1倍の特典もあります。

結論、月3〜4万円を楽天市場で買い物をする方は、付帯サービスも考慮すれば年会費11,000円を払って「楽天プレミアムカード」を選ぶメリットは大きいと考えます。

楽天カード・楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカードを選ぶ「境目」を紹介してきました。ポイント還元率の面で見れば、楽天ゴールドカードを選ぶメリットはほぼありません。

楽天経済圏をフル活用するならば、楽天プレミアムカードに切り替えたほうがずっとお得になります。日ごろ楽天市場をどのくらい使うかを考えたうえで、自分にあった1枚を選んでみてくださいね。

© 株式会社マネーフォワード