「食べた時に美味しいと言ってくれるのは嬉しい」青果の卸会社がジェラートで規格外の野菜や果物のロス削減=静岡・静岡市

静岡県静岡市の青果卸業者が、規格に合わず廃棄されてしまう野菜や果物をジェラートの材料として使おうと取り組んでいます。

2022年7月にオープンした、野菜やフルーツを使ったジェラートの店「おりじなる・すまいる」。店には18種類もの、カラフルなジェラートが並んでいます。素材を生かし果物をそのまま食べているかのように感じると評判です。

<おりじなる・すまいる 安本美帆店長>

「お子さんなんかはお野菜が嫌いだったりする子も多いとは思うんですけど、例えば、にんじんのキャロットオレンジというジェラートがありますけども、食べた時に、美味しいって言ってくれるのは本当に嬉しい」

できるだけ無添加・無着色として、体にやさしいジェラートを目指しています。

こちらは「かぼちゃのジェラート」。材料は一見すると普通のカボチャですが、よく見ると傷が入っています。「形が悪い」「傷がある」などの理由で、品質には問題がないものの廃棄処分していた野菜や果物です。それを何とか利用したいと、青果の卸売会社がジェラート店を開きました。

<おりじなる・すまいる 築地美音さん>

「(野菜や果物は)そんなにすぐできるものでもないので、廃棄するほど無駄なものってないじゃないですか。一年とか半年かけて育てたものを捨ててしまうのは」

卸売業者が運営する店だからこそ、農家の声も届けたい。店には生産者の写真が飾られ、思いが添えられています。

<おりじなる・すまいる 築地美音さん>

「やっぱり、農家さんとつなげてあげられるのが私たちみたいなお客さんと一対一で会えるものになるので、その声を農家さんにも届けられたらいいかなと思います」

市場に入ってくるニンジンは、10%が規格外で廃棄にされます。しかし、ジェラート作りだけでは、廃棄するニンジンの1%すら使えていないといいます。もっと多く使うには、さらに工夫が必要です。

<おりじなる・すまいる 安本美帆店長>

「これからだんだん秋になってきますので、スープなどのホットメニューを出して、幅広い商品を提供出来たらなと思います」

廃棄される野菜や果物で美味しさを広め、お客さんや生産者、働く人も笑顔になる。「おりじなる・すまいる」の挑戦は続きます。

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