この10年ほどで世界のトップクラブになったリヴァプール。多くの補強を成功させ、戦力が一気に充実してきた。
しかし、その一方で期待をもたせながらも成功を収められなかった選手も。今回は『Planet Football』から「リヴァプールの失敗した大物移籍」をお送りする。
アンディ・キャロル
加入元:ニューカッスル
移籍金:3500万ポンド(およそ56.8億円)
ヘリコプターでリヴァプールに到着したアンディ・キャロル。イングランド人選手の最高額記録となる3500万ポンドが動いたものの、怪我にも悩まされてなかなか活躍できなかった。
後にキャロル自身が話したところによれば、彼はニューカッスルを退団することを希望しておらず、リヴァプールのメンバーもほとんど把握していなかったそうだ。
クリスティアン・ベンテケ
加入元:アストン・ヴィラ
移籍金:3250万ポンド(およそ52.74億円)
キャロルと同じく、3000万ポンド以上の資金が投じられたものの期待に応えられなかったストライカーだ。リヴァプールで170分ごとにゴールを決めたという成績は悪くないものの、チームには馴染まなかった。
そしてユルゲン・クロップ監督が求めるシステムに全く合わなかったこともあり、結局クリスタル・パレスへと放出されることになった。
アルベルト・アクイラーニ
加入元:ローマ
移籍金:1710万ポンド(およそ27.75億円)
シャビ・アロンソが抜けたあと、リヴァプールはギャレス・バリーの獲得に動いた。しかしそれは実現せず、ローマからアクイラーニを引き入れることになった。
ただ彼はコンディションの維持に苦しみ、プレミアリーグではほとんど活躍できず。フィオレンティーナに売却される前に、ユヴェントスとミランへとローン移籍している。
ラザル・マルコヴィッチ
加入元:ベンフィカ
移籍金:2000万ポンド(およそ32.46億円)
2014年にルイス・スアレスを売ったことで6500万ポンドの収入を得たリヴァプール。それの再投資としてベンフィカから若きウインガーのマルコヴィッチを獲得した。
初年度は19試合に出場したものの、それからは3シーズンにわたってローン移籍し、しかも貸出先でもほとんど活躍しなかった。2018年にフラムへと去っている。
ロビー・キーン
加入元:トッテナム
移籍金:1900万ポンド(およそ30.84億円)
2008年にトッテナムからリヴァプールへとやってきたロビー・キーン。会見では「生涯の夢がかなった」と話し、憧れのアンフィールドでプレーできることに喜びを感じていた。
ただその半年後には1200万ポンドでトッテナムへと復帰。シーズン最終節にはリヴァプールと対戦し、ゴールを決めている。
ライアン・バベル
加入元:アヤックス
移籍金:1150万ポンド(およそ18.66億円)
2007年にアヤックスから獲得されたオランダ代表ウインガー。同国で最も期待される選手の一人であった。リヴァプールでは146試合で22ゴールを決めたが、それ以上を求められていた存在だ。
彼自身は2019年の『Guardian』のインタビューで「あと1~2年オランダリーグに残るべきだったかもしれない。国外の環境にうまく対処できなかった」と話している。
スチュワート・ダウニング
加入元:アストン・ヴィラ
移籍金:2000万ポンド(およそ32.46億円)
ミドルズブラで活躍を見せて「プレミアリーグ屈指のクロッサー」と評価されていた左利きのウイング。アストン・ヴィラでプレーしていた2011年にリヴァプールの誘いを受けて、2000万ポンドで加入することになった。
ただアンフィールドでは全くゴールもアシストもない状況が続き、「真っ黒の画面が続くプレー集」がYoutubeに投稿されたりした。2013年にウェストハムへと移籍している。
フェルナンド・モリエンテス
加入元:レアル・マドリー
移籍金:630万ポンド(およそ10.22億円)
2005年1月、ロナウドの加入で出番を失っていたフェルナンド・モリエンテスを630万ポンドで獲得した。ただ、なんとカップタイドという当時のルールによってチャンピオンズリーグに出場できず。
リヴァプールでは60試合に出場して12ゴール。18ヶ月間の所属であった。そして後にバレンシアへと放出されている。
エル・ハジ・ディウフ
加入元:RCランス
移籍金:1000万ポンド(およそ16.23億円)
2002年のワールドカップで旋風を巻き起こしたセネガル代表のエース。フランスを撃破するなどして話題を集めたチームの中心選手が、このエル・ハジ・ディウフだった。
リヴァプールはニコラ・アネルカの獲得に失敗したため、ディウフを急遽獲得。ただそのパフォーマンスは不安定で、敵対的なキャラクターがチームからも非常に不評だったという。ジェラードとの対立も大きな問題に。
ハリー・キューウェル
加入元:リーズ・ユナイテッド
移籍金:2000万ポンド(およそ32.46億円)
リーズ・ユナイテッドでは「ヤング・リーズ」と呼ばれた伝説のチームの左サイドを担っていたオーストラリアのドリブラー。多くのクラブから関心を集めたあと、クラブの財政難もあって2003年にリヴァプールへ。
しかしながらその後キューウェルは数々の怪我に悩まされ、アンフィールドではガラスの足を抱えながらのプレーになってしまった。2008年までプレーし、プレミアリーグ93試合で12ゴールを記録した。
マリオ・バロテッリ
加入元:ミラン
移籍金:1600万ポンド(およそ25.97億円)
ルイス・スアレスが退団したあと、1600万ポンドで獲得されたバロテッリ。彼と契約することは一定のリスクを抱えることと同義であり、リヴァプールはその賭けに失敗した。
プレミアリーグでの初ゴールは2月まで待たなければならず、わずか1年でミランへとローンで戻されることになった。そして移籍金ゼロでニースに放出されている。
ショーン・ダンディー
加入元:カールスルーエ
移籍金:200万ポンド(およそ3.25億円)
ブンデスリーガで多くのゴールを決めたショーン・ダンディ。南アフリカ生まれでドイツ代表を選択したストライカーは、怪我をしたロビー・ファウラーの代わりとしてリヴァプールへと引き入れられた。
ただ全くと言っていいほどに出番を与えられず、そのうちにファウラーが復帰。結局1年でドイツへと戻ることになり、シュトゥットガルトへと移籍している。
ジョー・コール
加入元:チェルシー
ヨッシ・ベナユンと入れ替わるようにチェルシーから加入したジョー・コール。かつてはイングランド最強のドリブラーとして知られたものの、リヴァプールではあまり活躍できず。2年目にはリールへとローン移籍されることになった。
そして次年度にはウェストハムへと完全移籍しており、リヴァプールでは26試合で3ゴールというやや寂しい数字しか残っていない。