児童目線で通学路確認 厚木市、ウエアラブルカメラで危険箇所チェック 全国初の取り組み

先頭と最後尾の児童がランドセルのベルトにウエアラブルカメラをつけて撮影して歩いた市立妻田小の集団登校(厚木市提供)

 子どもの視点で通学路の危険箇所をチェックしようと、厚木市は集団登校する小学生のランドセルに小型のウエアラブルカメラを取り付け、動画撮影する取り組みを始めた。動画を市と県厚木土木事務所、厚木署が参加する「通学路の安全対策協議会」で確認し、対策を講じる。市によると、自治体と学校、警察署が連携して市内全小学校の通学路をウエアラブルカメラでチェックするのは全国初。

 山梨県内で警察署と個々の学校によるウエアラブルカメラの活用事例があり、同市でも導入を決めた。

 カメラは市立小23校全校に2台ずつ導入する。先行して妻田小(同市妻田南1丁目)、清水小(同市妻田西3丁目)では今年6月、集団登校の先頭と最後尾の児童のランドセルにカメラを付けて撮影した。市教育委員会学務課によると、高学年児童の場合カメラは高さ120センチ付近となり、低学年の児童の視点に近くなるという。

 同月29日に同協議会で動画をチェックしたところ、それほど危険性が高い部分はなかったものの、「信号前に児童の待機場所がない」「横断歩道があるのに、そうでない場所を横断している」などの指摘が出た。

 これを受け、市は交差点前の歩道に歩行者の停止を促すフットマーク(足跡形)を設置したり、ドライバーに交差点の存在を強調するカラー舗装を設置するなどの検討を進めるという。

 残る21校でも9月から順次撮影を始めており、危険性の高そうな通学路から優先して撮影する方針。同課は「通学路は数が多い。本年度以降も撮影を継続していきたい」と話している。

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