クロスボウ 14日までに処分を 県警、経過措置終了前に呼びかけ

改正銃刀法の施行に伴い、県警が回収したクロスボウ

 クロスボウ(ボーガン)の所持を原則禁止し、許可制とする改正銃刀法の経過措置期限が14日で終了する。不法所持を防ぐため岡山県警は無償で引き取りを進めており、8日までに102本を回収。ただ、若い世代へ改正法が浸透していない可能性もあり、県警は「使わないものがあれば速やかに最寄りの警察署に処分を依頼して」と呼びかけている。

 クロスボウはライフル銃のような形態で、固定した弦に矢をつがえ、引き金を引いて発射する仕組み。ヘルメットやアルミ製のフライパンを貫通する威力があるとされる。2020年6月に兵庫県宝塚市で4人がクロスボウで殺傷された事件などを受け、今年3月に改正法が施行された。

 許可は競技用や動物麻酔などの用途に限られ、観賞用でも所持は認められない。措置期限内に都道府県公安委員会の許可を得るか廃棄が必要で、今月15日以降に不法に所持した場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。県内では8日現在、許可申請はない。

 県警は21年6月から回収を始め、趣味や狩猟用などで所持していた2団体、85人から102本を引き取った。県内の所有者数が不明な面はあるものの、持ち込んだ人の約85%を50代以上が占めたことから、若い世代に許可制や措置期限が周知されていない可能性があるという。

 県警は改めて公式ツイッターやホームページ、啓発チラシで引き取りの周知を図っており、生活安全企画課は「措置期限が迫っており、家族や友人に持っている人がいれば引き取りや許可申請を知らせてほしい」としている。

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