客の思い乗せ46年 JR九州「特急かもめ」 22日ラストラン 

さまざまな客を乗せて46年間、博多―長崎を走ってきた特急かもめ=諫早市小長井町(小型無人機ドローン「空彩4号」で撮影)

 旅行、買い物、通勤通学、受験、帰省、就職活動、出張…。博多-長崎を結ぶJR九州の特急かもめは旧国鉄時代から、さまざまな目的の人たちを乗せてきた。23日の西九州新幹線開業に伴い、長崎発の特急かもめは22日午後9時37分の便でラストランを迎える。
 JR九州によると、1937年から東京-神戸で運転された特急「鷗(かもめ)」などがルーツ。博多-長崎では76年7月1日に運行を始めた。特急かもめの廃止により、愛称は新幹線が引き継ぎ、特急「リレーかもめ」が博多-武雄温泉を走る。
 JR九州OBの木寺正輔さん(66)=北松佐々町小浦免=は国鉄時代から車掌を務め、退職までの12年間は特急かもめに乗車した。「車掌や人間として育ててもらった。なくなるのは寂しいけど、国鉄時代からの愛称が受け継がれるのはうれしい。これからも、お客さまに、かわいがられてほしい」と名残を惜しみつつ、期待を寄せた。

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