日本の多すぎる控え部員は“美徳”ではない…「根性なし論」は変えるべきか

今年末のワールドカップで日本代表と対戦するドイツ。

ドイツでB級コーチライセンスを取得し、日本のユース年代で監督などを歴任してきた影山雅永さんが日本との違いについて語った。

現在、JFAユース育成ダイレクターを務める影山さんは、JFAのロールモデルコーチである内田篤人の“先生”ともいえる存在。2人はDAZNの『FOOTBALL TIME』で共演するとざっくばらんな口調で様々な話題について語り合った。

影山さんによれば、ドイツにはサッカー部は存在せず、誰もがクラブチームでプレーしているそう。そのうえで、日本の学生スポーツに見られるあまりに多い控え部員についてはこう述べていた。

「(海外の場合はみんながプレーできるが、日本の場合は部活で補欠になることも多く、そこはドイツと違うのではないか)

その通りでドイツなんかは1チームの登録人数や指導者ひとりに対する人数が決まっていたりする。

日本では部員数が200~300人っているチームがいっぱいある、サッカーだけじゃなく試合に出られない子がメガホンを叩いてバックスタンドで応援しているっていうシーンが一般的で。

僕もそうだったけれど、あれをスポーツの美しい姿として、美徳として広まっているというか。でも、サッカーやスポーツの本当の美徳ってプレーすること。それが一番楽しいはず。

外国から来た指導者なんかを連れて観たりすると、『あれはサポーターか?』っていう(反応をされる)。

実は彼らは選手なんだと、でも試合には出れないから応援しているんだと(説明すると)、『なんで自分出れなくて悔しいのに応援してるんだ』っていう素朴な疑問(を聞かれる)。

だから、応援するのは素晴らしいんだけど、でも、プレーすることよりも上回っちゃいけないよっていう。

ドイツとかヨーロッパだと、そのレベルでプレーできなかったら、一段階下げるよね。

プレーできないんだったら、もう一個下げて、自分のレベルにあったところでプレーします、移籍します…っていうのが日本はなかなかできない。

根性なしとか言われちゃうから。でもそういうことじゃなくて、プレーすることが一番楽しいし…。

俺も下手糞な選手だったからさ、最初(筑波)大学入った時に長谷川健太さんとか、井原正巳とかいて、練習が嫌だったもん。みんな巧すぎて。

だから、自分のレベルよりも高すぎるところでやると全然楽しくない。五月病になったもん、練習行きたくなくて(笑)。

だから、なんか僕らはスポーツを耐えて我慢することが大事みたいにちょっと思いすぎていて。

そろそろそういった考えをちょっと変えて、自分のレベルに合ったところでプレーすることが楽しい、ただし(上に行く)チャレンジはしていくけどっていう考え方になっていきたいよね」

選手時代の影山さんは筑波大を経た後にジェフや浦和レッズなどでプレーしている。

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それでも大学時代は周りのとのレベルの差に苦しんだそうで、そういった経験からも、美徳についての考え方を変えてもいいかもしれないと話していた。

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