【今夜】中秋の名月かつ満月 関東~北日本ほどお月見日和に

 今夜昇る月は「中秋の名月」と呼ばれ、旧暦8月15日夜に見える月のこと指している。中秋の名月を楽しむ文化は平安時代に中国から伝わったとされ、日本では農業との結びつきが深く、「芋名月」とも呼ばれることがある。

2年連続 満月の「中秋の名月」

2022年9月10日(土)午後9時ごろの東京の星空 出典=国立天文台HP

 今夜昇る月は中秋の名月であるとともに満月となる。中秋の名月と満月が重なるのは去年に続き2年連続。来年2023年も日付が重なるが、その次は2030年となる。
 今夜月が出始めるのは、東京では午後6時11分ごろ東の空となる。次第に南東へと移動しながら高度を上げて、南の空に最も高く昇るのは午後11時55分ごろと日付が変わる直前の見込みだ。

北日本ほど晴れてお月見日和

 肝心の天気はというと、北日本ほどよく晴れてお月見日和になる見通し。関東、静岡県や九州でもおおむね晴れてチャンスがありそうだ。ただ、中国地方、四国から長野県にかけては雲が広がりやすく、にわか雨の可能性があるため中秋の名月をめでるのは難しいかもしれない。
 今夜遅くの気温は、関東から北では20℃前後の所が多い見通しで、薄着だと肌寒く感じられそう。空を眺める際は万全の感染対策とともに、上着や羽織るものも忘れずに持っておきたい。

「中秋」と「仲秋」の違い

2021年9月21日の満月(香川県高松市)撮影=鈴木悠

 よく「中秋の名月」と「仲秋の名月」の2種類を見かけるかもしれない。ただの漢字間違いではなく、それぞれに意味がある。
 季節の366日話題事典によると、「中秋の名月」とは上記したように、旧暦8月15日夜に見られる月のことを指す。一方で「仲秋の名月」は旧暦8月の月のことを指し、旧暦8月15日に限定しないという違いがある。
 今夜昇る月は旧暦8月15日夜の月に当たるため「中秋の名月」となり、あす11日(日)明け方ごろには西に沈んでいく。今夜は季節の歩みを感じながら、ふと空を見上げてみるのもいいかもしれない。

(気象予報士・鈴木悠)

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