尾根に3つのとりで跡の武衛山城、今は人気のハイキングコース 福井県の城紹介「わが町のわが城」

武衛山城跡からの眺め。日野山や国見岳などを望むことができる=越前市
登山道には味真野小児童が作った案内看板が設置されている

 室町時代に越前国守護の斯波義敏が、福井県越前市の武衛山(標高321メートル)山頂に築いたとされる山城が「武衛山城」だ。城跡へはハイキング気分で行くことができ、老若男女、地元住民だけでなく多くの人に親しまれている。

 尾根続きに三つのとりで跡があり、山頂付近の急な斜面を登りきると、尾根を大きく断ち切った堀切が現れる。山頂の城跡は、360度眺望が開ける。日野山や国見岳などを望むことができ、「のろしリレー」の舞台にもなっている。

 城跡へは市万葉の里味真野苑からの登山道が登りやすい。山頂まで約2キロ、片道約1時間だ。地元の味真野自治振興会が中心となって整備・管理。眺望が開けた場所には、休憩用にベンチを置いた。

 道中には山頂までの距離が書かれたカラフルな看板が、約50メートルごとに設置されている。味真野小児童が作ったもので、「元気にいこう」「負けるな」などのメッセージも添え、登山者を励ましている。

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 味真野観光協会などは、室町~戦国時代に地区内に築かれた武衛山城、鞍谷御所、真柄館、小丸城の「御城印」を作製。4連式で1枚にまとめた全国でもユニークな仕様で、市万葉菊花園内のカフェ「ハグポポ」で販売している。

 同協会の大橋治事務局長は「武衛山城をきっかけに味真野地区内を散策して歴史ロマンを感じてほしい」と話していた。

武衛山城

 市万葉の里味真野苑の背後にある武衛山の山頂に築かれ、堀切や土塁が残る。「武衛」は斯波氏の官位名が由来という。

味真野自治振興会

 味真野地区内の各種団体で構成。毎年、武衛山の登山道の草刈りなどを行っている。

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