間伐材を活用 倉敷発の新ブランド 齋藤さん 12日から東京で展示会

ヒノキの染料を使ったシャツなど「山」にこだわった洋服を手掛ける齋藤さん

 倉敷市児島産業振興センター(同市児島駅前)内の起業支援施設・デザイナーズインキュベーション(DI)に入居し、自身のアパレルブランド立ち上げを目指してきた齋藤大地さん(21)=同市=が、初の展示会を12日から東京・渋谷区で開く。出身地である宮城県産ヒノキの間伐材から作った染料を用いたシャツなどを手掛けており“山のブランド”としてアピールしたい考えという。

 齋藤さんは、千葉県内の大学に在籍する4年生。インターネット上で、DIで活動する入居者を知ったことをきっかけに、昨年10月に自身も入居し、児島地区の染料店でアルバイトをしながら洋服のデザイン考案や開発に励んできた。

 染料は、林業会社を営む宮城県の実家を通じて調達したヒノキの間伐材から抽出。児島地区の事業者の協力を得て染色や縫製などを行い、美しいピンク色に染めたシルクシャツなどを仕上げた。

 「DAICHI SAITO」のブランド名で臨む初の展示会では、シャツをはじめ、山歩きを楽しむ人のためにペットボトルを入れるポケットを付けたパンツなど春夏用の計6アイテムを紹介、主にバイヤー向けに受注販売する。染料作りの過程でヒノキから抽出した水を活用したルームスプレーも販売する。

 後継者不足や人手が足りず間伐が進まないといった日本の林業の課題を実感しているという齋藤さんは「洋服を通じて山に興味を持ってもらうきっかけになればと思った」と説明し、「東日本大震災で被災した郷里の復興にも少しでも寄与できれば」と話している。

 「DAICHI SAITO 23SS展示会」は12~16日、UPSTAIRS GALLERY(渋谷区恵比寿西)で。問い合わせは齋藤さんのメール(daichisaito1004@gmail.com)。

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