高原の魅力味わって 新名物「クラフトコーラ」誕生

完成したクラフトコーラを持つ田代大輔さん、鈴木孝充さん、内山圭さん(前列左から)と、開発に携わった町民ら(後列)

 宮崎県高原町の新たな名物を目指し、地場産品を使って味に特徴を出した「クラフトコーラ」が誕生した。郷里への思いが起点となり、さまざまな形でつながっていった町内外の老若男女が協力して開発。湯之元地区に9日オープンした「たかはる古民家カフェ」で提供されている。
 カフェを運営するのは、東京都と川崎市でそれぞれ会社を経営する鈴木孝充さん(40)と田代大輔さん(39)。田代さんは同町出身で、人口減が続く古里への危機感があり、ビジネスパートナーの鈴木さんと2019年から、同町で若者の定住につながるような事業を模索していた。
 スパイスやハーブなどを組み合わせて作るクラフトコーラに着目し、今年5月に開発をスタート。鈴木さんの知人を介して知り合った内山圭さん(23)=宮崎市=が中心となって試行錯誤を重ねた。
 当初は試飲した子どもからの反応はいまひとつだったが、「奥霧島地域商社ツナガルたかはる」が紹介した同町の料理研究家・中武榮子さん(69)らのアドバイスを受け、紅茶やヨモギ、さらにかんきつ類のタチバナの果汁を加えると、すっきりとした味わいになった。
 9日は同店でセレモニーがあり、関係者約20人がクラフトコーラで乾杯。鈴木さんは「地元の人と話すとアイデアが次々に出た。つながれたからこそできた商品」と笑顔を見せた。現在は一杯550円で提供しており、今後は町外への出荷も目指す。田代さんは「高原が知られるきっかけをつくり、地域に貢献できたら」と話している。

© 株式会社宮崎日日新聞社