プジョー、参戦2戦目となるWEC富士で4-5グリッド獲得。「目標は表彰台」とロイック・デュバル

 富士スピードウェイで開催されているWEC世界耐久選手権第5戦『富士6時間耐久レース』。プジョー・トタルエナジーズの2台『プジョー9X8』にとっては今大会が参戦2戦目となる。9月10日に迎えた公式予選では、93号車のジャン・エリック・ベルニュが4番手、94号車のロイック・デュバルが5番手タイムを記録した。

 7月8〜10日に開催された第4戦『モンツァ6時間』でデビューを果たしたハイパーカー、プジョー9X8にとって、富士スピードウェイは初めての舞台。予選日を前にした9日の公式練習日には93号車が77周、94号車が87周と順調に周回を重ねた。

 予選を前にした10日午前のフリープラクティス3回目は、93号車が1分30秒510を記録し2番手。94号車が1分30秒828を記録し3番手となった。予選では93号車ベルニュが1分30秒00と自己ベストを更新し4番グリッドを、94号車デュバルが5番グリッドを獲得した。

 この結果について、ステランティス・モータースポーツのディレクターを務めるジャン・マルク・フィノーは「モンツァ以来、チームが取り組んできた仕事によって、ひとつの問題もなく全てのプラクティスを終わらせることができた。このことは、富士にいるスタッフだけでなく、パリ近郊のサトリーにあるファクトリーのスタッフにも感謝し、祝福しなければならない」と語った。

「とはいえ、私たちが目標とするレベルに達するには、まだまだ長い道のりがある。他のハイパーカーたちのタイムに近づきたいところだが、我々は正しい方向に向かっており、毎戦学びながら前進している。チームは良い経験を積んでおり、この難しいサーキットのためにマシンのセットアップによく取り組み、そして、ドライバーは9X8の限界を探り続けている」

「日曜日のレースでは、強力なパフォーマンスと賢明な戦略が不可欠であり、可能な限り最高の結果を出すことが我々の目標だ。6時間のレースでは、燃料消費量とタイヤマネージメントが重要な要素となるため、ベストを尽くすつもりだ」

93号車プジョー9X8はジャン・エリック・ベルニュがアタック。4番グリッドを獲得した

 93号車のアタッカーを務めたベルニュは「マシンとチームは、モンツァから大きく前進した」としつつも「まだ改善できる部分はたくさんある」としている。

「パフォーマンスと予選に関しては、まだ2回目だから、改善できる部分はたくさんあるけど、自信もある。もっと速いタイムを記録できたとも思うけど、マシンのポテンシャルを最大限に引き出すことはまだ難しいね。明日に向けてはチーム全体でハードワークを続けるよ」

 94号車のアタッカーを務めたデュバルは、多くのデータを得るために、予選では93号車と94号車で異なる戦略を選択したと語った。

「2台は予選でそれぞれ異なる戦略で臨んだ。まだまだ学習段階だが、デビュー戦のモンツァからは大きな前進を遂げたと思う。ここ富士の予選では、経験豊富なライバルたちと差があったのは事実だ。しかし、日曜日のレースでは、一貫性と信頼性が鍵になる。他のマシンにどんどん近づいていきたいね。ハイパーカークラスには5台が参戦しているから、日曜日のレースでは表彰台を目指しているよ」

 シーズン途中からの参戦となったプジョーにとって、2022年シーズンはチーム、戦略、セットアップ、そしてマシンの信頼性に至るまで、フル参戦初年度となる2023年シーズン初戦で勝利に向けた、重要な準備期間だ。そのため、順位だけではなく、走ること、取り組むこと、そのすべてに重要な意味を持つレースとも言えるだろう。第5戦富士6時間レースの決勝は明日11日(日)の11時にスタートが切られる。

富士スピードウェイを走行するプジョー9X8

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