自民・高木毅氏「岸田政権支える」…最大派閥の安倍派事務総長に就任 北陸新幹線敦賀以西は早期着工に意欲

インタビューで国会運営への意欲を話す高木氏=9月6日、国会内の自民党国対委員長室

 自民党国対委員長で、党内最大派閥の安倍派(清和政策研究会)事務総長に就任した高木毅衆院議員(福井2区)は福井新聞のインタビューに応じ、「岸田政権を支える」と意欲を語った。2023年度当初の着工へ正念場を迎えている北陸新幹線の敦賀以西については「知恵と工夫も必要」とし、議論を加速させる考えを示した。

 -21年10月に党国対委員長に就任し先月の党役員人事で続投が決まった。“1期目”の10カ月間は、政府の新規提出法案をすべて成立させた。

 「与野党間で調整、政府と相談し、国会運営の司令塔となるのが国対委員長の役目。1期目は野党の主張も丁寧に聞き、折り合うことができた。公明党や野党の理解のたまものだ」

 -安倍晋三元首相の国葬や、旧統一教会を巡り与野党の対立が目立っている。特に立憲民主党の国対委員長に復帰した安住淳氏は“対決型”の姿勢だ。

 「安住氏は国対委員長としての経験が長く、老獪(ろうかい)という印象。ただ野党第1党の国対委員長はどなたでも手ごわい。1期目と変わらず、理解いただけるよう丁寧に進める。その上で判断するべきときは判断し国民生活に資する国会にする」

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 -安倍派では副会長から事務総長に就任した。

 「安倍さんというカリスマ的なリーダーがいなくなり遠心力が働かないとも限らない。そうならないようにするのが私を含め派閥幹部の仕事だ。(会長不在という)この状況はよろしくないと思っている。国葬後に新しい体制を相談することになるだろう。最大派閥として岸田政権を支えていくことは間違いない」

 -旧統一教会の問題では安倍派議員の関係の深さが指摘される。

 「安倍派に限らず『関係を断ち切る』という党の方針に従うことに尽きる」

 -新幹線敦賀以西ついて与党プロジェクトチームが決議した23年度当初着工まであと半年。遅れている京都府の環境影響評価(アセスメント)の状況は。

 「新型コロナの影響や一部住民の反対もあり遅れているが、鉄道建設・運輸施設整備支援機構に遅れを取り戻すべく対応してもらっている。国土交通省予算の概算要求では(金額を示さない)事項要求として盛り込まれ、私たちの思いは届いた。23年度当初に向けしっかりした予算編成を求めたい」

 -5月には環境アセス完了前の着工にも言及した。

 「(財源など)条件をクリアし着工を目指す姿勢は変わらない。ただ重要なのは一日も早く大阪につなぐこと。アセスが一部遅れているからといって何もできないことはないと考えている。知恵や工夫が必要で、いよいよそういう話もしなければならないと思うが、まずはしっかりとした着工への努力だ」

 -岸田首相が原発新増設の検討方針を表明し、「次世代型原発の建設」などを打ち出した。県内への影響は。

 「首相の方針はおおむね多くの方に受け入れられたと思う。雇用も含め、嶺南の地域経済にプラスだ。政府は原子力行政についてさらに明確にし、(原子力規制委員会の)体制充実や審査迅速化を図ってほしい。新型炉は安全性が高く効率もいいので、リプレース(建て替え)についての考え方も打ち出してほしい」

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 インタビューは9月6日に国会内の自民党国対委員長室で行った。

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