総監督は「融資審査グループ副長」…埼玉縣信金が軟式野球で初の全国V 選手は全員職員、業務と両立し練習

高松宮賜杯第66回全日本軟式野球大会で初優勝した埼玉縣信用金庫チーム(同金庫提供)

 長野県内で行われた軟式野球の全国大会「高松宮賜杯第66回全日本軟式野球大会(1部)」で、県代表として出場した埼玉縣信用金庫(熊谷市)が初優勝を成し遂げた。選手全員が地域経済を支える信用金庫職員。今回の快挙について「権威ある大会で優勝できたことは大変光栄。野球部の活動にご支援いただいた皆さまに感謝します」と喜びと地域への感謝を述べている。

 埼玉縣信用金庫は5月に16チームが参加して行われた県予選で優勝。6月に茨城県内で行われた関東予選も優勝し、全国大会に進んだ。

 今月3~5日に長野県の松本市野球場などで行われた全国大会には各都道府県、地区予選を勝ち抜いた32チームが出場した。埼玉縣信用金庫は初戦で福岡県代表を6―3で下して勢いに乗ると、2回戦で鹿児島県代表、準々決勝で石川県代表に勝利。準決勝では長野県代表を延長戦の末に下し、5日の決勝戦では、千葉県代表の「南関東日野自動車」を七回コールドの11―1で圧倒し、全国の頂点に立った。

 優勝の要因を同金庫融資部融資審査グループ副長の水上幸彦総監督は「年齢差関係なく意思疎通ができることが最大の要因。劣勢時には相互によく会話(コミュニケーション)し、難局を乗り切った」と振り返る。

 同金庫によるとチームの正確な歴史は分からないものの、1968(昭和43)年の関東大会(信用金庫大会)に出場した記録が残っており、創部は50年以上前にさかのぼるとみられる。現在の部員は25人。アスリート採用はなく、それぞれの支店などに勤務する職員が週に1回、毎週土曜日に熊谷さくら運動公園、北本総合公園などに集まり、練習を続けてきた。

 今大会では日本一の栄冠とともに、草加支店主任の池田聖弥投手が最優秀選手賞に、深谷支店の浅見悠大外野手が優秀選手賞に選ばれた。

 東八潮支店主任の岩崎一希主将は「会社や関係者からたくさんのサポートを頂き、埼玉縣信用金庫の看板を背負い優勝できたことは大変な誇り。楽な試合展開はなく、試合を重ねるごとにチーム力が増した。劣勢の場面でも誰一人、集中力を切らすことなく戦えたことが勝利を呼び込んだ」と喜びを語った。

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